鏡花 水月

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9/6/2025, 11:52:28 AM

『誰もいない教室』

朝早く教室に行くのが好きだった。
誰もいなくてシーンとしてて、
いつもと違う教室がうれしかった。

誰もいない図書室も好きだった。
本いっぱいに囲まれて、図書室には私しかいなくて。

誰もいない教室は、何故か魅力的なものだ。
もう戻ることは出来ないけれど、
いつまでも私の記憶から戻ることが出来る。

9/5/2025, 2:02:08 PM

『信号』

今日は1つ目の信号から赤だ。
きっと次の信号も赤だろうな。
赤と青の数をかぞえてみようかな。
帰りの数もかぞえてみたりして。
予想は赤の方が断然多い。
当たるかな、はずれるかな。
それとも、帰る時にはこんなこと忘れちゃってるかな。

9/4/2025, 2:10:15 PM

『言い出せなかった「」』

「休みたい。」
たった一言のこの言葉を何度飲み込んだことか。
朝起きると体はだるくて、心なしか体調も良くなくて。
1日を考えると自然と涙が出てきた。
不自然に思われたくなくて必死に涙を止めた。
声に違和感がないか、おはようの練習もした。
でも、そんなの必要ないくらい、隠すのは上手だった。
懐かしいな、登校中はいつも泣いてたっけ。
上手く隠せていたと思ってるのは私だけかも。

きっと今も言えないだろうな。
口にしたら泣いちゃうかもしれない。
もっともっと歳をとって、どうでも良くなった時に、
今度こそ、伝えてみようと思う。

9/3/2025, 10:27:07 AM

『secret love』

いつからだろうか。
目で追うようになったのは。
視界に入るだけで私の世界に花が咲く。
それと同時に冷たい雨も降る。
もう忘れたいと何度思った事だろう。
もう諦めたいと何度思った事だろう。
私を見ることは無いと分かっているのに、
それでもなお、目で追ってしまう。

風船の如く膨らんだこの気持ちに針を刺そう。
隠すことが出来ている今のうちに。

9/2/2025, 10:42:21 AM

『ページをめくる』

私は明日、ページをめくる。
ついに、20ページ目に突入するのだ。
過ごした時は長かったけれど、
思い返すとあっという間だった。
1行目には何を書こうか。
初めてのお酒の味でも書いておこうかな。

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