おもち

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1/15/2025, 12:15:02 PM

【あなたのもとへ】 No.7

「どうせきっと私の事なんて好きじゃないんでしょ。
 あなたもいつか離れていく。
 そんなことになるんなら、恋愛なんてしない。」

そう言って走っていった君の言葉、表情、全部が忘れられない。
後になってから、後悔が襲ってくる。
もう一度やり直せれば。何回思っただろうか。
チャンスが来るなら、今日しかない。
君と初めて会った日。
1番最初の記念日。
これは、僕の、君への気持ちの、決意表明だ。
僕は、絶対に離れていかないから。
君が好きだって、何度でも言うから。
だからお願いだ。待っていてくれないか。

そうつぶやき、僕の一番好きな、あなたのもとへと駆け出す。

1/14/2025, 11:58:42 AM

【そっと】 No.6

夜の闇が街を覆い尽くした。
隣で眠る君も、今は夢の中にいるのかな。
僕は、君の寝顔を見るのが好きなんだ。
嬉しそうで、
楽しそうで、
満ち足りたような君の寝顔。

そっと、君の頬にふれる。
君はちょっとだけ笑った。ような気がした。
この小さな幸せが、いつまでも続きますように。

1/13/2025, 1:18:40 PM

【まだ見ぬ景色】 No.5

僕の宝物は、カメラと、その中に入っているたくさんの写真だ。
写真は、青空、夕焼け、夜空など、主に空の写真が多い。
いつ見ても違う、刻々と変わりゆく空。
そんな空が好きだった。

ただ、僕は、撮りすぎてしまった。
全てのパターンを網羅したかのように、撮っても撮っても見た事のある写真。
空は無限大のはずなのに。
変化のない写真に僕は焦って、ただただ新しい景色を撮ることに執着していた。
昔の、美しい空が大好きだった気持ちは、今や変化を求めるだけのつまらない気持ちに変わってしまった。

そして、僕は狂った。
高層ビルの屋上から飛び降りて、死に際の空を撮ったらどんなに美しいかと。

少し日が落ち始め、ほんのりオレンジに染まった空を見て、僕の心は決まった。
周囲の人々のどよめきが起こる中、僕はフェンスを飛び越えた。

まだ見ぬ景色を求めて。

1/12/2025, 1:18:19 PM

【あの夢の続きを】 No.4

ああ、またか。
最近、よく同じ夢を見る。
薄暗い廊下に、幼い君と大人になった僕。
君が1人で突き当たりの扉の前に立っているところから始まる。
君は、「先に行ってるね」といい、扉を開けて、すぐにいなくなってしまう。
僕もいつも追いかけようと頑張るのだが、決まって足が固定されたように動かない。

君と同じ景色が見たいのに。
これもきっと、あの時僕がこの扉を開けられなかったからだ。
怖くなって逃げ帰ってしまった。
君は、あの扉の向こうに行ってから、姿を消した。
夢か現実かも分からなかった。
でも、君がいなくなってしまったことは、現実だった。

今なら思う。
もしあの扉の向こうに行って帰って来れなくても、僕は扉を開けたい。
君が見ていた、君と同じ世界を見たいんだ。
夢の中では、1歩ずつ前進している気がする。
そんな1歩を積み重ねて、いつか扉を開けるんだ。

僕は寝る時、願う。
「あの夢の続きを」

1/11/2025, 12:58:49 PM

【あたたかいね】 No.3

小さい頃に遊んでいた、近所の女の子がいた。
僕は、その子が好きだったんだ。
冬に僕が外に出ると、決まって抱きついてきて、
「あたたかいね!」
って、僕の腕の中で笑うんだ。
とっても可愛かった。
明るくって、花が咲いたみたいで──
抱きしめたくなるんだ。
「僕が守るよ。」心の中でそう思っていた。


今はもう、彼女はどこにいるのか分からない。
僕は大学生になって、気ままに生きてる。
でも、時々思い出す。
彼女の花のような笑顔。
今も、僕の腕の中で笑っていそうな気がするんだ。

もう一度、君に会いたい。

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