【あの夢の続きを】 No.4
ああ、またか。
最近、よく同じ夢を見る。
薄暗い廊下に、幼い君と大人になった僕。
君が1人で突き当たりの扉の前に立っているところから始まる。
君は、「先に行ってるね」といい、扉を開けて、すぐにいなくなってしまう。
僕もいつも追いかけようと頑張るのだが、決まって足が固定されたように動かない。
君と同じ景色が見たいのに。
これもきっと、あの時僕がこの扉を開けられなかったからだ。
怖くなって逃げ帰ってしまった。
君は、あの扉の向こうに行ってから、姿を消した。
夢か現実かも分からなかった。
でも、君がいなくなってしまったことは、現実だった。
今なら思う。
もしあの扉の向こうに行って帰って来れなくても、僕は扉を開けたい。
君が見ていた、君と同じ世界を見たいんだ。
夢の中では、1歩ずつ前進している気がする。
そんな1歩を積み重ねて、いつか扉を開けるんだ。
僕は寝る時、願う。
「あの夢の続きを」
1/12/2025, 1:18:19 PM