右と左の膝の上
出かける気配に敏感な君たちは
そろって可愛い顔をして
すぐに帰るよ
そしたらぎゅっと抱きしめて
右と左の手の平で
幸せだなって確かめる
「行かないで」
2024/10/21
本日は何かを始めたり、新しい物をおろすのにいい日です。
一粒万倍日です。
今日は新しい上着を着て出かけるつもりです。
買った事に満足して何年もしまい込んでいたのをひっぱりだして、この日の為に、一昨日洗って準備しておきました。
新しい衣類は洗える物なら一回洗ってから着用する派です。
早朝からうきうきしています。
「始まりはいつも」
握った手を中心にくるり180度。
お互いの位置を入れ替えて、やっとわかる事もあった。
もう一度くるり。
少しだけなにかが変わって、ほぼ元通りに戻ってこれた。
手を取り歩み寄るのが怖い時もあるけれど。
まるであさっての方向に離れていくのはもっと嫌。
2
カーテンレールの上で渋滞を作る猫みたいに
柔軟さと超バランスで強引に乗り越えられたら
なにも気にせずにくっついてぬくぬくと
「すれ違い」
日に透ける紅葉の赤が1番きれいに見えるとつぶやいて、動かなくなる君。
大通りのベンチはもうすぐしまわれる季節になった。
バスの中から街路樹に留まる寄生木を見つける目ざとさと、裸眼視力は0.1の極端な性能差を両立させて、分厚いレンズに隠した大きな瞳。
見たいものしか目に入らない。
目が合うたびに一回一回笑ってくれるのがたまらない。
こっちを思い出してくれるまで、おりこうさんで君を待つ。
「秋晴れ」
ルーズリーフとシャープペンシル、消しゴムが、言葉をつづる道具でした。
長い事、上手く使いこなす事が出来なくなりました。
書き込むのはほとんど住所名前電話番号。まるで判子のようでした。
最近はスマホに直接打ち込むので、脳を使う部分が大分変わった気がします。
一度平仮名で入力して変換する手間が悪さをするのかしっくりきていません。
昔だって記憶の怪しい漢字は携帯で変換して、確認しながら書いたもんなのに。
それでも思い出しました。
言葉は何度使っても無くならない材料です。
どこにいても頭の中でこねくり回し遊んだのを覚えています。
何度でも、削って付け足して書き直して全削除すら簡単に出来るんですから、あせることはないのです。
「忘れたくても忘れられない」