月夜に染められたようなマントを羽織るあの人
お月さまから溶け出たようなはちみつ色の瞳
こちらを見てにこりと微笑み名前を呼ぶ
やわらかに曲線を描くその唇
……私を娘のようだと、愛おしそうに話す貴方
それになんて返せばいいかわからなくて、
わからなくて、ただ微笑み返す
師であり、仲間である琥珀の人は親として私に接する
けれど私は違うの
共に過ごせば過ごすほど貴方に恋をしてるから
あなたの微笑みで、あなたの声で、仕草で………
その全てが私の心を掴んで離さないから
娘になんてなれないと思っているの
それでも何も言わずに今日も貴方の隣に立つ
貴方の側にいたいから、貴方を目一杯幸せにしたいから
ただそれだけが、私を貴方の娘とたらしめる理由
「優しさ」
優しさって難しい
ありすぎてもだめ、なさすぎてもだめ
あれもこれもだめなんだってたくさんの人が言う
“あなたは優しいね。”
そんな褒め言葉も、褒め言葉なはずなのに善にも悪にもなって……
『優しいから』“申し訳なくなる。”
“私は他の人と同じ扱いに感じる。”
なんて、責任を此方に移す口実にもなる
優しさを素直に受け取れないのなら、一緒にいてはいけないの?
あなたにとっての優しさは、隷属や献上品のようなもの?
優しさに対価なんていらないはずなのに
ありがとうと言ってもらえたらきっとその人は喜んでまたあなたと楽しく過ごせるだろうに
物も、あなた自身の時間も消費する必要ないはずなんだ
見返りを求めてなにかをするならば、それは優しさではなくて「打算」だからね
あなたの優しさは誰かの心を溶かすよ
あなたの優しさは誰かの支えになるよ
あなたの優しさは無碍にされてもそこにあったと、残り続けるしそれは誰かが見てるよ
大丈夫
大丈夫だからね
一番大事な優しさは、自分に向けられるものだよ
あなたを大事にして、好きな物で息抜きして、よく休んで……そうした優しさがあなたを支えるからね
よくお眠り
「安心と不安」
安心はクリームのような甘くてまろやかな部分
不安はクリームの上に敷かれたキャラメリゼ
不安も細かくして安心で包むとほろ苦いスイーツのようになる
まるでクレームブリュレ