夫婦
介護施設のデイケアに来ていたお婆さんに、
「今日は何の日?さっきテレビで今日は何々の日です。って言ってたんだけど、忘れちゃって思い出せないの」
と言われ
「11月22日、今日ですか?明日が勤労感謝の日でお休みですけどね。今日は何の日でしょう?」
と考える。
「あー、もしかしていい夫婦の日じゃないですか?11月22日で、、、」
お婆さんも
「そうだわ!いい夫婦の日だわ!じゃあ私には関係ないわ。お父さんはとっくにあの世だし、私達の時代はいい夫婦って男に逆らわず。男を立てて女は黙って家を守る。亭主関白が当たり前の時代だったから。お父さんに感謝はしているけど、あの世に行ってほっとしているのよ。だって今みたいに自分の時間がなかったもの。」
と笑う。
いい夫婦って時代で変わるかもしれない。でも、死んだ後にあの人がいなくなって寂しいと言える夫婦でありたい。
私達夫婦はなれるかな?
どうすればいいの?
今日のごはん、、、。
宝物
私の宝物。それは娘です。もう30歳だけど。母子家庭でずっと一緒でした。アトピー性皮膚炎から、喘息になり、夜間救急にかかることが多かったけれど、中学卒業まで病院にかかって、喘息は完治しました。大学に行って、就職してやっと肩の荷が降りたと思ったら、脳炎になって倒れました。今は記憶障害があり、障害者だけど、元気に仕事をしています。いろいろな事があったけれど、娘は宝物です。
ある日突然、彼氏を連れてきて山梨で一緒に暮らすと言われました。障害がある娘を大切に思ってくれるのは本当にありがたい。
でもなんだか寂しい。
私の宝物を持って行かないでって思うけど、私とずっと一緒にいるよりは、もっと輝くんだろうなぁと、彼氏にそっと私の宝物を渡す。
いつまでも大切にしてね。
よろしくね。
キャンドル
キャンドルの炎がゆらゆら揺れる。催眠術にかかった様に眠くなる。彼が耳元で好きだと囁く。
嬉しいけれど、そんな事は後でいいから眠らせて、と思う。
キャンドルには不思議な力がある。脱力感。
はっ!と目が覚める。
朝の6時。彼もいない。キャンドルは消えている。
「あ〜よく寝た」
さっ!今日も頑張って仕事行こう!
たくさんの思い出
60年生きて来たらたくさんの思い出がある。
でも、なんだか思い出すのは失敗した時の思い出とか、忘れたい思い出。
いつも気が小さい自分。