飛べない翼
やりたい事は沢山ある。皆んなとカラオケに行きたい。可愛い服を着てみたい。アイドルのコンサートに行ってみたい。友達の家に泊まって、朝までワイワイお喋りしたい。そして、恋がしたい。
私は翼があるのに、その翼は飛べない翼だ。
翼の下はアザだらけ。お酒に酔った父から、毎日のように殴られる。父が怖い。
でもあともう少し、高校生活もあと3ヶ月。高校を卒業したら、寮のある会社で働く事になっている。
そうしたら、この飛べない翼は大きくなって、大空を羽ばたいてくれるだろうか?きっと大丈夫!
私を助けてくれる。
父が私の翼をもがないうちに、、、。
私はじっとその日を待つ。
ススキ
ススキの野原で、うさぎがぴょ〜ん。
まんまるお月様に、うさぎがぴょんぴょ〜ん。
脳裏
とあるスキー場。リフトで山の上まできて、目の前はパウダースノー。私の脳裏に浮かぶのは、パウダースノーを蹴散らせながら、カッコよく滑る自分の姿。心が躍る。あ〜なんて気持ちがいいのだろう。
さ〜行くわよ〜!
はい!!ボーゲン、、、。
ドテッと転ぶ。痛い、冷たい!
だから、スキーは嫌いなのよ!
ど〜するのよ!下まで、ど〜するのよ!
意味がないこと
台風の時の折りたたみ傘。
スマホばかりを使用している人の家電。
我が家の愛犬の、オシャレな服(直ぐ脱ぐ)。
シャワーしか使わないのに、入浴剤。
三日坊主のバランスボール。
「使えないな〜」と上司に言われっぱなしの私の高学歴。
旦那との無言の時間。
「来年までに10キロ痩せる」と書いて貼った決意表明の紙。
などなど、、、。
あなたとわたし
あなたとわたしは、全く違う人間だ。あなたは明るくクラスの人気者。わたしは暗く、クラスの嫌われ者。でも、あなたはいつも、わたしのそばにいてくれる。
いじめられないのは、あなたがいるからだろう。あなたに、何故わたしといるの?と訊いてみた。
彼女は
「あなたはとても綺麗な目をしている。その目に私は惹かれるの。おしゃれをして、髪型も変えたら、きっと綺麗だわ。ディズニーのシンデレラよ。だから、顔を上げて笑って」
彼女の言っている事がよくわからない。シンデレラなんて。帰ってから、鏡を見てみた。シンデレラなんかじゃなかった。白雪姫にリンゴを渡す魔女だった。
あなたとわたし、全く違う二人。
私はシンデレラ姫の毒林檎を食べて死にたくなる、、、。