意味がないこと
台風の時の折りたたみ傘。
スマホばかりを使用している人の家電。
我が家の愛犬の、オシャレな服(直ぐ脱ぐ)。
シャワーしか使わないのに、入浴剤。
三日坊主のバランスボール。
「使えないな〜」と上司に言われっぱなしの私の高学歴。
旦那との無言の時間。
「来年までに10キロ痩せる」と書いて貼った決意表明の紙。
などなど、、、。
あなたとわたし
あなたとわたしは、全く違う人間だ。あなたは明るくクラスの人気者。わたしは暗く、クラスの嫌われ者。でも、あなたはいつも、わたしのそばにいてくれる。
いじめられないのは、あなたがいるからだろう。あなたに、何故わたしといるの?と訊いてみた。
彼女は
「あなたはとても綺麗な目をしている。その目に私は惹かれるの。おしゃれをして、髪型も変えたら、きっと綺麗だわ。ディズニーのシンデレラよ。だから、顔を上げて笑って」
彼女の言っている事がよくわからない。シンデレラなんて。帰ってから、鏡を見てみた。シンデレラなんかじゃなかった。白雪姫にリンゴを渡す魔女だった。
あなたとわたし、全く違う二人。
私はシンデレラ姫の毒林檎を食べて死にたくなる、、、。
柔らかい雨
柔らかい雨が、私の頬を撫でる。太陽は薄い雲にかかっているけれど、陽射しは届いている。風はなく、地面も濡れることはない。
真っ白なウエディングドレスが、柔らかい雨と、優しい太陽の光の中、一層、キラキラと光る。
私の隣で彼がにっこり笑う。
チャペルの鐘の音。
二人だけの結婚式。
永遠の愛を誓った私達は、これから何があっても離れる事はない。
彼がそっと頬にキスをする。
愛しています。
永遠に。
一筋の光
ここは狭くて暗い。寒くはなく、温かい。少し前までは水もあり、身体が浮くくらいだったが、その水も急になくなった。
段々とより狭くなり、苦しくなってきた。早くここから出ないと、押し潰されそうだ。
出たい!出たい!後ろから押される感じ。
あーもうダメだ。潰される。そこに、一筋の光。
あそこだ!出口だ!
それー出るぞー!
「オギャー!オギャー!」
「おめでとうございます!元気な男の子ですよ」
泣いている、女の人。
初めまして、ママ!
哀愁をそそる
彼の横顔は、哀愁をそそる。彼自身は、何の悩みもなく、いつもくだらない冗談ばかり言っている。ただ、ふと見せる哀しげな彼の横顔は、哀愁をそそる。
そんな彼がある日、マンションから飛び降りた。大きな木に引っかかり一命は取り留めた。
彼は
「僕はいつかきっと、誰かを傷つける。衝動を抑えることができなくなってきた。だからその前に、僕を消してしまおうと思った。でも、もう大丈夫。足はもう動かない。僕を殺さないなんて、神様は残酷だ。」
そう話す彼の横顔は哀愁をそそる、、、。