きらめき
空にきらめく無数の光。星ではない。未確認飛行物体、UFO。
遂にきた!人類を征服するために彼らはきたのだ。
彼らは高度な知能をもち、肉食である。私達地球人は彼らの家畜のなる。核兵器をもっても彼らを倒すことはできない。彼らはいくつもの星を征服してきた。もはやなす術がない。
彼らと戦うことを諦めた。最後の今日、僕らがやることは音楽を奏でること。
さー最後に皆んなで楽しもう!
世界中の皆んなが楽器を鳴らし、歌を唄う。国歌を唄う人もいれば、静かな子守唄を唄う人もいる。ロックンロールに熱狂し、笛を吹けば犬やオオカミなどの動物も遠吠えをする。
あーこんなにも楽しく最後を迎えられるなんて、本当に人類は素晴らしい。きっと地球人は最強だ!
その時、僕が見ていた空の光が一つ消えた。そしてまた一つ、また一つ。最後、きらめきが全て消えた。 来るのか、来ないのか。
地球が静寂に包まれた。
政府からの発表。UFOは地球を離れた。何が原因かわからないが、
「地球は恐ろしい星だ!宇宙から見た地球人の目は異様なまでにきらめいていた。あの無数のきらめきに勝てるわけがない。もう地球には二度と来ない。」
地球が音楽で救われた。全人類の心が一つになれたのだ。
またいつ宇宙人が襲ってくるかもしれない。でも、僕らはこの地球に生きる人間として絆を大切に生きていこう。
絆が強ければきっとこの地球は守られる。
それを全人類が確信した日だった。
些細なことでも
私の母は認知症です。
母は病気で、母が悪い訳ではないことはちゃんとわかっている。
母を大切に思っているし、感謝もしている。なのに、外食した時にご飯をこぼしたり、箸を落とすような些細なことでも腹が立つ。
後でものすごく反省するんだけれど、その場では
「何をやってるの!なんでこぼすの!」
と、ついつい強い口調になってしまう。
朝ごはんを食べて直ぐに、
「朝ごはん食べたかしら、、、?」
なんて言われるとかっとなる。
手は上げないけれど、嫌な顔するし、口調もついつい強くなる。
それでも母は怒ったり言い返したりしない。黙って下を向く。
その姿を見てまたイライラしてしまう。
認知症が進んだら私1人ではきっと母は不幸になる。いろいろな人に話を聞いてもらおう。相談しよう。 介護って1人で頑張っちゃいけないんだ。
皆さんもそうですよ。誰かに相談してね。
お母さん、今日はごめんね。酷いことばっかり言っているけど、お母さんが好きです。長生きしてね。
心の灯火
僕がこの部屋から出られなくなって二年が経つ。いわゆる引きこもりだ。原因は自分でもわからない。ただ、全てに対して意欲がもてない。でも、いつかはこの部屋から出て、ちゃんと働こうとは思っている。両親が心配していることもわかっている。でも、やる気が起きないんだ。頑張れないんだ。
そんな僕でも夢中になっている人がいる。ユーチューバの〝ちかちゃん”
ちかちゃんはこんな僕に笑いかけてくれる。僕だけにではないけれど、、、。
「何があってもちかが味方だぞ!」
って言ってくれる。
「今は悩んでいる君もきっといつか大丈夫になる!ちかがずっと応援しているから!」
って言ってくれる。
一日中ちかちゃんを観て過ごす。
ちかちゃんは僕の太陽だ!
朝、テレビをつけてニュースを観ると
〝人気ユーチューバ、本名 ◯◯ちか容疑者 大麻所持で逮捕される”
なんてことだ!信じられない!
フードを深く被ったちかちゃんを見て、僕は愕然とした。
心の灯火が消えた。
何もかもが真っ暗だ。
これでもう、この部屋から出ることはない。
ちかちゃんのせいだ、、、。
開けないLINE
私は小学生の頃、いじめに合っていた。小学生のいじめなんてかわいいものだと思う人もいるだろうが、小学生にとっていじめはゲームと一緒だった。
集団を作る、無視をする、悪口を言う、物を隠す、破壊する。
一通りのいじめをして、飽きると次のターゲットを見つける。
私も最初は好きなの男の子の話をしただけだった。その男の子がたまたま、いじめのリーダーが好きな子だったというだけのことだった。
急に誰も口をきいてくれなくなった。下駄箱の靴が無くなった。ノートに「死ね」と書かれた。
とうとう学校に行けなくなった。
両親が早く気づいてくれて、転校することができた。
あの頃のことは思い出したくない。なのに、、、。
高校生になった私のスマホのLINEに、いじめのリーダーからのLINE。一気にあの時のことを思い出す。わかっている、削除すればいいことだ。ブロックすればいいことだ。でも、削除できない。
また私を傷つける?謝罪?
そうして彼女からのLINEは、私のスマホの中で開けないLINEとして残る。
絶対に忘れられない名前と共に、、、。
不完全な僕
僕は産まれて9ヶ月。やっと立ち上がることができるようになったのが6ヶ月ぐらいのとき。今はどこかに掴まっていれば15秒ぐらいは立っていられる。僕は歩くためにこの掴まり立ちを1日10回はやるつもりだ。絶対に1歳の誕生日までには歩くという目標がある。
僕のパパとママはなかなか赤ちゃんができず、病院で痛い治療を我慢してやっと僕ができた。
パパとママはお腹の中に僕ができた時も、僕が産まれた時も僕と同じぐらい泣いていた。
だから、僕はパパとママに笑ってもらうため密かに練習していることがある。それは言葉を言うこと。「パパ」「ママ」って言ってあげるんだ。ただここで大きな問題が、、、。「パパ」「ママ」どっちを先に言ったほうがいいのかなぁ?自分的には「ママ」かなぁ。
これからママのおっぱいをたくさん飲んで、疲れたら寝て、時々泣いて大きくなります。まだ不完全な僕だけど、パパとママのために立つことやおしゃべりの練習をしながら、元気にすくすく育ちます。
パパ、ママ、僕を産んでくれてありがとう。