私の当たり前 NO6
母は夕食に必ず味噌汁を作る。
夕食に味噌汁は私にとっても当たり前である。
豆腐の味噌汁 茄子の味噌汁
ワカメとお揚げの味噌汁
玉ねぎとにんじんの味噌汁
大好きな豚汁 豚汁は次の日うどんを入れて食べるのが好き。
冷蔵庫に何もない時は溶き卵の味噌汁
暑い夏は胡瓜やミニトマト、ミョウガを入れた冷汁
私が残しておいたケンタッキーのチキンが入っていた時もあった。
お母さん、ケンタッキーのチキンは次の日レンジでチンして食べても美味しいんだよ涙
ピザを頼んだ時も味噌汁を作ってた。 お母さん、ピザに味噌汁はちょっと複雑笑
母が肺炎で入院した。
その間、私の味噌汁はコンビニのカップ味噌汁やお湯を入れるだけの味噌汁になった。
夕食の味噌汁は私にとって当たり前だけど、お母さん大変だったよね。これからは時々、私も作るからね。だから元気でいてね。
「お母さん、ありがとう」
街の明かり
街の明かりはほっとする。
食事をしている人、テレビを観ている人、コンビニで買い物している人、仕事をしている人、車のライト、赤ちょうちん、、、。
ベランダから見る明かりはどれも温かい。
なのに僕のアパートの部屋だけはここ三日間ずっと暗い。
明日はやっとアルバイト代が入る。電気代を払ったら僕の部屋も明るくなるだろう。
でも、暗い部屋から街の明かりを眺めるのは、僕は嫌いじゃない。
まるで猫になった気分だ。
おやすみ。
七夕
七夕の夜
祖母は
「今日は七夕だね〜 おじいちゃんに会いたいわ〜」
と死んだ祖父を想う
笹に吊るされた祖母の短冊を見ると
「健康で長生きできますように、、、」
おばあちゃん、本当はまだまだおじいちゃんに会う気ないでしょ〜
長生きしてね
友だちの思い出
昔は携帯もドアホンもないから薄いドアの前で
「はなちゃ〜ん 遊びましょ〜」と大きな声で呼ぶ。
「はぁ〜い〜」と答えて手をつないで一緒に公園へ。
ドッチボール、ゴム跳び、四葉のクローバー探し、、、
男の子にスカートめくりされて泣く子もいれば、その男の子を蹴飛ばす女の子もいる
夕方になると か〜ら〜す〜♩
なぜなくの〜♩からすのかってでしょ〜♩と歌いながら家に帰る
笑って、笑って、今日も「ばいば〜い」と友達と別れる
あれから60年
築50年マンションの窓の外から
「はなちゃ〜ん 生きてる〜」と声かけすると
「生きてるよ〜」と返ってくる
いつまでも元気でね
星空
夏、犬の散歩は暑さを避けて星空の下を歩く。
星の光だけでは、やっぱり黒い愛犬は闇に消えてしまう。
「鼻が効くのはあなただけでしょ」
「私はリード頼りだよ」
「そうそう時々止まって私のことも心配してね」
止まって振り返り、私を心配している愛犬の顔を想像する。
飼い主想いな愛犬がまた歩き出す。
数歩歩いたところで何か踏む。
星空の下、星の光だけで散歩なんて愛犬の茶色あれを踏むだけだ。
あっ!流れ星