【ぬるい炭酸と無口な君】

さっきから一言も話さない君
何を話せば良いのか分からない俺
机の上には
氷が溶けてかけて
ぬるくなった甘い炭酸水
今日初めて君がうちに来た
それだけで心臓がはち切れそうになっている
ヘタレな俺
そっと君を覗き見る
君はうつむき加減で
どこに目を向けたら良いのか
分からなそうにしていた
「ふっ」
「え？」
何だか笑みがこぼれた
顔を上げ
目を丸くさせる君
それがいっそう愛おしくて
緊張していた心が少しだけ
平常を取り戻した
「いや、俺だけじゃなかったんだなと思って」
「？」
君は不思議そうに俺の顔を見る
何だか緊張していたのが
馬鹿らしく思えた
さて、今日は何を話そうか
君がそこに居てくれるだけで
俺はいつだって

【波にさらわれた手紙】

涙と共に流されて行け
砂に描いた愛の言葉
貴方に届かなかった
それは波にさらわれ
私の心を少しだけ軽くした

【虹のはじまりを探して】

虹のはじまりを探して
僕らは旅に出る
ほんの少しの荷物をリュックに
詰め込んで
誰も見たことの無い
宝物を探しに
さぁ行こう
冒険が僕らを
待ってる

【涙の跡】

鏡に映し出された泣き腫らした瞼
何度擦っても
渇いた涙のあとを
辿った傷は
その頬に微かに残ってる
消えてはくれない
それでも私は
貴方を忘れる勇気が欲しい

【半袖】

子供の頃
白Tシャツ
胸にでかでかと

"小麦ちゃん"

の一文字
それから私のあだ名は
小麦ちゃん