【ぬるい炭酸と無口な君】
さっきから一言も話さない君
何を話せば良いのか分からない俺
机の上には
氷が溶けてかけて
ぬるくなった甘い炭酸水
今日初めて君がうちに来た
それだけで心臓がはち切れそうになっている
ヘタレな俺
そっと君を覗き見る
君はうつむき加減で
どこに目を向けたら良いのか
分からなそうにしていた
「ふっ」
「え?」
何だか笑みがこぼれた
顔を上げ
目を丸くさせる君
それがいっそう愛おしくて
緊張していた心が少しだけ
平常を取り戻した
「いや、俺だけじゃなかったんだなと思って」
「?」
君は不思議そうに俺の顔を見る
何だか緊張していたのが
馬鹿らしく思えた
さて、今日は何を話そうか
君がそこに居てくれるだけで
俺はいつだって
8/3/2025, 10:42:55 AM