【雨音に包まれて】
出会いは突然訪れた。
名前も顔も面識すらもない他人。
そんな私にあなたはそっと傘を差し出し
降りしきる雨の中駆けて行ってしまった。
こんなこと何か小説かドラマの中だけで
現実で起こるなんて想像できなかった私は
しばらく走り去っていく彼の背中を呆然と見つめていた。
空からは一向に止むことのない雨の音が
響いていた。
それはさっきまでの激しいものではなく
何だかやさしい雨の音に変わっていた。
【美しい】
雨上がりの水溜まり
赤く染まった夕陽
キラキラ光る宝石箱
澄んだような君の瞳
色付いた唇
【どうしてこの世界は】
理不尽で出来ているのか
全部を全部否定する訳じゃないけど
それでも一生懸命頑張って生きても
くそって思うことが沢山ある
どうしたらこの世界から理不尽がなくなるのかな
【君と歩いた道】
日が沈みかけた細く伸びた道を
小さな手を握って歩いた
君はまだおぼつかない歩みで
それでも一生懸命足を前へ前へと進んでく
自分にもそんな頃があったのだろうか
今はもう昔過ぎて
記憶の片隅に追いやられてしまった
この小さな手をいつまで握っていられるのか
君は大きくなり
誰か他の男の手を握るようになるんだろう
それは僕にとって幸せであり
少し寂しいような複雑な感情
君はどんな大人になるのかな
いつまで君を僕に守らせてくれるかな
君が幸せに歩んでいけるように
この手をしっかり握りしめて
今日はもう家に帰ろうか
【夢見る少女のように】
いつまでも甘い夢の中で生き続けられれば
良かったのに
あのときの少女はもうここにはいない
夢は泡と共に消え去り
無惨な現実だけが残された
あぁ早く大人になりたかった
だけどあのとき夢見た
大人にはほど遠く
憐れな私が目の前の鏡に
映されていた
目を背ければ
現実を生きなくて良いのか
目を離さなければ
現実を生きていけるのか
そんなのは分からない
分かってしまったら
もっと惨めになってしまいそうで
苦しい
夢を見て生きていたあの頃
もう私はあの頃へは戻れない
現実は厳しく時に打ちのめされるけれど
頑張ってしがみつくよ