【雨音に包まれて】出会いは突然訪れた。名前も顔も面識すらもない他人。そんな私にあなたはそっと傘を差し出し降りしきる雨の中駆けて行ってしまった。こんなこと何か小説かドラマの中だけで現実で起こるなんて想像できなかった私はしばらく走り去っていく彼の背中を呆然と見つめていた。空からは一向に止むことのない雨の音が響いていた。それはさっきまでの激しいものではなく何だかやさしい雨の音に変わっていた。
6/11/2025, 11:30:13 AM