【終わり、また初まる、】10
「…一体いつ終わるのかしら?」
さっきから双子たちはどのくらい経ったのかずっと歌ったり踊ったりを繰り返している。
私の存在など当に忘れているようだ。
ダム「あっ、つい楽しくてお姉さんを置いてきぼりにしちゃったね!ディ?」
ディ「そうだね、ダム!悪いことしちゃったね…」
ピタリと踊るのを止め、双子はしょぼんと項垂(うなだ)れた。
「そんな項垂れなくても大丈夫よ?」
何だかいたたまれなくなってそう言って、私は双子の頭を撫でた。
ディ「わぁっ、お姉さんって優しいんだね!」
ダム「本当!僕達お姉さんのこと大好きになったよ!」
「あらあら」
双子はニコニコと私に抱き付いてきた。
私は苦笑したもののこんな可愛い子達に抱き付かれて嬉しくないわけがなかった。
私も二人を抱き締める。
「ありがとう二人とも。私先を急いでるの。だからそろそろ行かないと」
名残惜しさを残し、私は双子から離れ踵を返した。
ディ·ダム「「待って!」」
そう言うかいなか私は後ろから引っ張られた。
【星】
星の欠片を探して、今日も僕は夜空を駆け巡る。
君の星が一つ迷子になって泣いていたから。
僕達は同じ夜空に耀きながら中々一緒にはいられない。
それでも君には笑っていて欲しいんだ。
大好きな君。
早くいつもの君の光耀く姿を僕に見せて。
そのためだったら僕は何だって頑張れるから。
ほら。
もうすぐ君の星が戻ってくるよ。
だから泣くのはやめて笑顔を見せて。
【願いが一つ叶うならば】
私はあなたのそばにいたい
【嗚呼】
どうしてかしら?
どうしてこんなにも胸の奥がざわめくのか。
そんなの誰にもわからない。
自分にだって。
この感情なんと呼ぶには言葉なんて無意味でしかない。
求めているのか?
求めていたとてこの手に入ること等あるのだろうか?
自分の思うままに。
そんなのは自己犠牲でしかない。
相手は不気味がって二度と私を見ることはないだろう。
こんのは自傷でしかないのだ。
嗚呼、嗚呼、嗚呼。
呼んでいる。あなたを。私自身を。
糞くだらない感情なら捨ててしまって
なりふり構わずあなたを求められたなら。
少しは自分を楽にしてあげることが出来るのか。
【秘密の場所】
ねぇ知ってる?
何を?
この学園の何処かに誰も知らない、誰も行ったことがない、秘密の入り口があって。
その先には見たこともないような不思議な世界が広がってるんだって。
誰も知らないのにどうしてあんたがそんなこと知ってるわけ?
…。
…。
…ま、その場所に行くには選ばれた人間しか行けないんだけどね。
なんか適当ね。
どの学校にでもあるような、七不思議のようなものだからね。
で?
ん?
誰かしら選ばれた人間はいるの?
さあ?
本当適当すぎる。
だって、私達はただの脇役。
ストリーテラーみたいなものなんだから、別に知らなくても良いのよ。
それもそうだけど…。
ここもある意味秘密の場所ってことで。
納得のような腑に落ちないような?
話が思い付かないとこういったことになるってこと。
ああ、なるほど。