【ラララ】
「ラララ♪」
「なに急に?」
「いや、なんか春って何でもないのに歌いたくならない?」
「ならん」
「…心本当にある?」
「殴られたいの?」
「誰が!?」
「あんた」
「いつからそんな口が悪くなっちゃったの!?
お母さんそんな子に育てた覚えありませんよ!」
「育てられた覚えもねえわ」
「まあ。何て反抗的な」
「まだ続けるの?」
「そうね。」
「あんたも好きよねぇ」
「この何でもない時間が私の幸せ」
「確かにね」
「「ラララ♪」」
【風が運ぶもの】
突然の突風。
私は不思議な風に包まれていた。
周囲には誰も居らず私だけがそこにいた。
「一体何…」
まさか、神隠しにでも逢おうというのか?
それは嫌だ。
私は今から仕事に向かう。
昨日も遅刻した上、今日も何て…。
考えただけでも恐ろしくて堪らない。
「お願い!私を解放して!」
駄目元で風にお願いしてみる。
すると。
「あっ…」
風は私から離れ、目の前には不思議な生き物がいた。
「あなたは…」
「我は風神」
「ふ、風神…!?」
「そうだ」
そうだってそうなの?
何せ風神なんて者に私は生まれたこの方会ったことも詳しくもない。
そんな私に判断が出来るわけがないのだ。
「貴様、我の花嫁になれ」
「き、貴様…!?花嫁…!?」
「そうだ」
そのそうだってやめてもらえますか?
それにさっきから偉そうに!
「む、無理です!嫌です!マジ勘弁です!」
「何故だ?」
「何故も糞もねぇです!嫌なものは嫌です!
と言うことで私これから仕事なのでこれにて失礼しま…」
「…待て」
「あっ…」
風神とか言う怪しい人?に背を向け歩き出したその瞬間私は腕を掴まれ再び顔向けさせられた。
「な…なんですか?私急いでるんで」
「ふっ…その気性の強さ。気に入った」
「えっ…」
「また、来る」
そう言うがいなか風神と名乗る怪しいその人?は最初に私を襲った突風が再び現れ次の瞬間には姿が消えていた。
「えぇっ!?」
な、なんで!?どこ行ったの!?まさか本当に風神だった?
「いやいや!」
そんな摩訶不思議なことがこの令和の時代起こるわけないない!
きっとイルージョン、新手の詐欺よ。
「けど…」
さっきまた来るって言ってたよね?
「…帰りに防犯グッズ買っていこう」
そう決意し、私は無事?出社した。
【question 】9
「はぁ…はぁ…」
長い。さっきから音の鳴る方を目指して歩いているのに、全然目的の場所に辿り着かない!
「もうダメ!一旦休憩!」
あんなところに座るのに丁度良さそうな切り株が!
私は躊躇うことなくそこに腰掛けた。
すると。
?「「はーい!合計一万人のお客様いらっしゃーい!」」
「えっ!?」
な、何事!?
なんか草むらから飛び出してきたけど!
「はいはい!私の名前はトゥイドール·ディ-!」
「はいはーい!僕の名前はトゥイドール·ダムでーす」
「…」
嫌、名乗られても意味わからんて。
【約束】
指切りげんまん嘘吐いたら針千本飲ーます指切った!
…怖すぎる。
【ひらり】
ひらりひらり-
ひらりひらり-
見上げれば満開の桜たちが我先にと舞を披露している。
私はその中に埋もれるように横になった。
もう誰にも傷つけられない。
手の届かないところへ行こう。
ひらりひらり-
ひらりひらり-
目を開けても閉じても私の世界は桜色一色。