泉羽

Open App
5/23/2023, 2:07:36 PM

あぁ、そうか… 

「君はもう、そこには居なかったね。」

毎朝毎朝、起きる度に思い出す。
毎朝毎晩、居ないと分かっているのに、どこかで期待をしている僕がいる。

「そろそろ、君の所に行ってもいいかな。」

(………ぃで)

「もう限界なんだ。」

(…ないで)


もう君には届かない独り言を呟く。


ふと、耳元に気配がした。

(こないで)

「………」

(来ないで)


懐かしい君の声だった。

「ごめん。それは無理だ…君は僕にこの先一生苦しめって言うのか…?」

(………)

「ごめんね。」


僕は柵に手をかけた。



#2 『逃れられない呪縛』





5/21/2023, 12:11:57 PM

透明は怖い。

何にも染まっていない事を恐れる自分が居る。

他人と違う事が怖いのだ。

独自性や個性が無いのか。

こんな事を考える僕は黒く染まっているんだろう。

明日は何色に染められるのだろうか。

社会から渡された色で生きるのか。

いいや、明日こそは

自分自身の色を探そう。

#1『透明な水』