ふと、浮遊感。
あれ、ここは。
あ、落ちてるんだ。
何故?
何故…
何故君は僕を見下ろしているの?
何か喋っている。
何だって?聞こえないよ…!
何故?
何故聞こえないの?
よーく君の口元を見る。
さ
い
ご
?
どういうことだろう。
ねぇ、どうしたの。
僕には何が起こっているの?
浮遊感はまだ続いている。
ねぇ――
す。
#7『落下』
「もう梅雨だね…」
「あー……うん」
「早く晴れてくれないかなー……僕晴れの方が好きなんだよね」
「そっ…か……俺は雨好きだけど」
「そうなんだ、珍しいね」
当たり障りの無い会話ばかり。
俺が話したいのはこんな事じゃない。
お前とのこれから、曰く、未来についてだ。
どうか話を濁さないでくれ。
お前は俺の事なんてどうでもいいのかよ。
好きだったのは俺だけ……?
いや、そんな事…考えてもしょうがないか。
「なあ、俺は―――
#6『天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、』
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
失敗をした。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
間違えた。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
悲しませた。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
傷つけた。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんねごめんねごめんね
君を殺した。
#5『ごめんね』
月……か。
僕の月はずっと新月のまま。
いや、もしかしたら僕には月を見る
資格なんてないのかな。
だからずっと、現れないのかも。
「今日……は満月か。」
ニュースを見ながら呟く。
こんなもの見たって、僕には見えないのだけれど。
去年の1月22日。
あの日から心に穴が空いたようで。
何も、綺麗なものが見えなくなった。
いや、『見れなくなった』の方が正しいのかもしれない。
ねぇ、1つだけ願ってもいいかな?
僕に月を見せてよ。
#4 『月に願いを』
『止まない雨はない』
僕が一番嫌いな言葉だ。
いや、実際、天気の雨は止む。いずれ。
ではなくて、
僕の中にある、降り止まない雨。
幼少期からずっと、愛されることなんて無かった人生。
無論、誰かを愛したことも、
いや、他人に興味すらなかったかな。
今となれば17歳。もう生きる意味なんて分からないよ。
[関東地方は快晴のようです。今日は日差しが強いかと思われますので、熱中症には充分お気を付け下さい。]
あぁ、今日も雨が降る。
僕の雨は、いつ止むのだろう?
#3 『いつまでも降り止まない、雨』