「思い出」と「想い出」
似ているようで少し違うイメージ
『思い』はふと考えたことや感じたことを
そのまま思い浮かべること
『想い』はその思い出に"愛"があること
なので「たくさんの"想い出"」とは
「たくさんの"愛"」を思い浮かべること
「子猫ちゃん、どこから来たの〜?」
今、目の前でカノジョは野良猫に喋りかけていた。
隣に僕がいるのにも関わらず、猫しか眼中にないようだ。
別に拗ねてない。
構ってもらえないからって猫に嫉妬なんてしない。
その可愛がりかたを僕にもしてほしいなんて思ってない。
...だって、カノジョは僕に対していつも敬語なんだ。
少しくらい猫を羨んでもいいだろう?
「そんなに猫好きなら飼えば?」
「...いえ、家はペット禁止なので」
ほら、いつも通り敬語に戻ってしまった。
「...一つ提案なんだけど、うちに嫁入りすれば猫飼ってもいいよ?」
「..............ほんとに?」
「ニャ~」
カノジョの僕に対して言葉遣いが崩れる瞬間だった。
「また会いましょう」
カノジョは毎回最後にそう言って僕と別れる。
たとえ、それが建前だったとしても僕はその言葉を信じて
またカノジョ会いに行く。
一方通行な片想い。
だけどそれが心地よかったりする。
なぜ会いに行くの?
好きだから
片想いなのに?報われないのに?
報われようなんて思っていない
好きだから相手の幸せを願っている
じゃああなたの幸せは?
あなたの幸せは誰が願っているの?
さぁ...身内なら少しは思ってくれてるかもしれない
カノジョに対してはストレートな答えをだしたのに
自分自身のことになると曖昧なのね...。
曖昧な僕だからこそ、はっきりしてるこの好きの感情は特別で大切で、だから大事に育てたい感情なんだ。
「また会いましょう」
好きな人にまた会える可能性がある言葉
その言葉が続くかぎり、また会いに行くよ。