ノーネーム

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「子猫ちゃん、どこから来たの〜?」


今、目の前でカノジョは野良猫に喋りかけていた。

隣に僕がいるのにも関わらず、猫しか眼中にないようだ。

別に拗ねてない。
構ってもらえないからって猫に嫉妬なんてしない。
その可愛がりかたを僕にもしてほしいなんて思ってない。

...だって、カノジョは僕に対していつも敬語なんだ。
少しくらい猫を羨んでもいいだろう?

「そんなに猫好きなら飼えば?」
「...いえ、家はペット禁止なので」

ほら、いつも通り敬語に戻ってしまった。

「...一つ提案なんだけど、うちに嫁入りすれば猫飼ってもいいよ?」
「..............ほんとに?」
「ニャ~」


カノジョの僕に対して言葉遣いが崩れる瞬間だった。

11/15/2024, 5:01:17 PM