長男の一歳のお誕生日に、南房総に出掛けた。
畑一面にポピーが咲き誇り、金魚草や他の花々と美しいコントラストを作っていた。
穏やかな春の小さな旅。
泊まったペンションの部屋で、二つ並んだベッドの間を、一歩一歩、嬉しそうに歩いて、私達の胸に飛び込んできた息子。
歩いた、歩いた!!と大喜びの私達夫婦。
それまで一、二歩歩いては転んでいたのが嘘のように、次の足が前に出てくる。
そのことが楽しくてたまらないような満面の笑みで、歩き続けた彼。
25年経った今でも、そんな光景を鮮やかに蘇らせてくれたお花畑。
心に刻まれた幸せな記憶は何年経っても色褪せることがない。
雨が降ってる時に
『お空が泣いてるね〜』って、言う大人がいた
お空って泣くの?
と子供心に違和感を覚えた
自然を味わって、自分のこころと身体で感じて、それを一番ピンとくる言葉で表せばいい
自分のこころを表現できる言葉が見つからなければ、ゆっくり探してみるのがいい
それをお手伝いするのは、とてもいい
小さい人のそばにいる大人は、不用意に詩的表現を使って子供のこころを惑わせてはいけないなと、私は思う
命は、燃え尽きるのかな
命は、光輝くエネルギー
ひとりずつ、みんな違うエネルギー体
魂はずっとずっと続いていて、今世では今の肉体に魂が宿っている
この世に生を受けて、魂を磨いて、今世でやるべき事とされた仕事・勉強(魂のすべきしごと)に取り組む
自分にしか出来ない、自分の魂が喜ぶしごと
それは、人を笑顔にすること
いたわりの言葉、ねぎらいの言葉、優しい言葉に心は柔らかくなる
言葉だけじゃない
思いやりや心遣いで、人は幸せを感じる
人一倍繊細で感じやすく傷つきやすい自分
そう見られたくないから、いつも笑って元気でいる
誰とでも打ち解けて、笑顔で話せる
すぐに友達になれる
本当は結構きつい時もある
無理してる時もある
どんな自分でいたらいいのか、迷うこともあった
先日、『自分の取説』という名の占いをしてもらったところ、繊細で傷つきやすいからこそ、人の気持ちが細やかに理解できる。心遣いができる、と言われた。
そして、『承認欲求を認めましょう』
『あなたの原動力は周囲からの評価です。その事により自己肯定感が上がります』と書かれていた。
なるほど
このままの私でいいんだ
人を喜ばせることをしたい
周りにいてくれる大切な人たちに笑顔でいて欲しい
その気持ちを後押しされて、勇気と力が湧いてきた
私の命は燃え尽きたりしない
ずっとキラキラ輝いて、最後は光になるよ
光になって、みんなを温かく照らすよ
旅が好き。
まだ見ぬ土地、そこに住む人々、景色、空気、食べ物、匂い、知らない場所への好奇心が膨らむ。
まだ中学生の頃、どこかのカレンダーで見た一枚の写真。モロッコという国の夜の市場。闇の中で光がキラキラ輝いていて、異国の美しい女性が微笑んでいた。
調べてみたら、モロッコは北アフリカの国。
夜の市場は、マラケシュという都市のジャマエルフナ広場。
見たことのない異国の夜。
世界は広いんだ。
身体が熱くなった。
いつかこの目で見てみたい。
この広場に立ってみたい。
そう心に誓った。
数年前、この夢がかなった。
高校生の娘と2人、ジャマエルフナ広場でモロッコの屋台ごはんを堪能した。
言葉はあまり通じないけれど、屋台の客引きは、気のいいお兄ちゃん達でエネルギッシュだった。
あの日、夢見た場所。
ずっと憧れていた土地。
不思議な幸せな気持ちで満たされた。
今も私のお気に入りのカレンダーは、いつか行ってみたい世界の美しい場所の写真である。
世界にひとつだけ
それは、わたしの声
動画の中で話す自分の声が、あまり好きではなかった。
社会人になり、人前でプレゼンをするようになって、聞きやすい話し方や声のトーン、速度などを意識するようになった。
人の心に届く話し方を心掛けた。
あれから何年経っただろう。
プレゼンをすることも無くなり、人前で話すこともほとんど無い。
自分の声について、意識することはなくなった。
職場の同僚、子供達の友達繋がりのママ友、ご近所さんなど言葉を交わす人は大勢いたけれど、私の声について評価をされることはなかった。
ところが、今年、初めて参加したヨガリトリートで、私の声を評価してくれる人が何人もいた。
驚いた。
優しい声、話し方がいい、ずっと聞いていたくなる。素直に心を許せる、などお褒めの言葉をたくさん頂いた。
周囲の人に言われたことがない、と伝えると、皆もその事に驚いて、周りの人達は慣れてしまって気付かなくなっているのでは?と言われた。
ヨガは自らの内面と向き合い、心と身体を整えるもの。集まったみんなは、五感が研ぎ澄まされ、感じる心を持っているのだと思った。
あまり好きではなかった自分の声。
褒めてもらい、素直に嬉しい。
世界にひとつだけの私の声。
もっと磨きをかけて、大切に愛してゆこうと思った。
誰かの心に届き、心と身体を緩ませることができたらこんなに幸せなことはない。