11/11/2024, 11:10:29 AM
いつしかFの周りには、共に山を登る仲間ができていた。
「今日はもうそろそろ、この辺りでキャンプにしよう」
「そういえばFさんは、登山のどんなところが好きなんですか?」
Iが聞いた。するとFは、何か思ったのか西の方を向いて、そちらをじっと見つめた。西の空では、夕日が今にも山の向こうへと沈もうとしていた。
「夕焼け、綺麗ですね」
Fが返事をすることはなかった。
彼はじっとそのまま、光を見つめ続けていた。
11/11/2024, 6:26:07 AM
夕陽に照らされて、金色に輝くススキの穂が風に揺れている。そんな光景を、なぜだか生まれるよりもずっと前から知っているような気がする。