たまには贅沢しようよ。
贅沢なんて、しなくても死なないよ。
でもたまにの贅沢は心の栄養だもん。
贅沢しなくても、体は栄養取れるからいいの。
贅沢なんてお金の無駄だよ。
人の心はそんな「無駄」を食べて育つんだよ。
雨の日の木々の艶めきだとか、
朝露に洗われた街々だとか。
僕じゃない、誰かにとってはどうでもいいかも
しれないようなこと。
ふうん。
君の心はきっと腹ペコだと思うな〜。
何をご所望で?
やった!それじゃあ焼き肉とチョコケーキを!
わからない。
わからない。
わからない。
生まれてこの方13年と少し。
誰かにとってこの数字は人生の半分にも満たない。
だが誰かにとっては自分よりもずっと、
私が圧倒的に大きいと感じるだろう。
私は真の絶望なんて知らない。
だから、希望だって知らない。
きっと私が知っていたとしたら、
「可哀想」と、人は言うかもしれない。
なにも、言わないかもしれない。
これはきっと幸せなことだね。
外の世界を知らない子供は恐ろしい場所へ
自ら足を踏み入れようとするのだね。
私は絶望したことがあるよ。
希望なんて見つけられなかったけど。
誰かにとっては小さな小さな小さなことかもね。
私もそれをわかってるつもりだ。
もう少し、生きてみようと思う。
「たった一つの希望」を知るまで。
それほどの絶望に身を投じるまで。
僕は生まれた。
生きたいという本能的な欲で、
食べて、寝て、泣いて、息をした。
僕は育った。
育ちたいという理性的な欲で、
食べて、寝て、泣いて、息をして、
学んで、遊んで、喧嘩した。
僕は殺した。
幸せになりたいという渇望的な欲で、
食べて、寝て、泣いて、息をして、
学んで、遊んで、喧嘩して、
殺して、吐いて、絶望した。
ほら。「欲」がなければ僕らは生きていないのだ。
本能的であれ、
理性的であれ、
渇望的であれ、
「欲」は「欲」なのだ。
君の、生きていたい。「欲」を、大切にしなよ。
はずかしいけどさ。
嫌なわけじゃないよ。
バレンタインの日、
ちっちゃなしかくい赤の箱に
黄色いリボンがかかっている。
「好きな色、覚えてたんだ。」
リボンを解いて開ける。
中にはかわいらしい手作りのチョコ。
それも、ひとつひとつ形が違う。
「なにこれ、可愛すぎる。」
私の、大好きな人。
私の、気が合う人。
私の、大切な人。
不思議だな。
バレンタインは女の子が大好きな
男の子にチョコを上げるんじゃない?
なのに、
どうしてこんなに嬉しいんだろ。
去年、
「来年は君もバレンタインを作ること!」
って。
冗談交じりに言ったの、覚えてたんだ。
本当に、作ってくれたんだ。
そんなことを考えてるであろう君が、
耳まで赤くして立ち尽くしている君が、
大好きでたまらない。
そんな君からもらった、
バレンタインチョコ。
Iを入れ忘れたのかな?
でも伝わるよ。
「LoveYou」
いつもの、「ありがとう。」が、
君が言うと不思議なんだ。
目を細めて、口を大きく開けて。
なんの屈託もなく幸せそうに笑いながら言う。
雪だって雨だって曇りだって、
全部あったかくして溶かしちゃうような。
心があったかくなって、
なんだかにんまりしちゃって、
僕まで笑顔になっちゃうような。
きっと、言葉だけじゃない。
君の、
笑顔があったかくて。
誰にでも優しくて。
泣く時はわんわん泣いて。
笑う時は大きな声で笑って。
挨拶の声がとにかく大きくて。
困っている人をおいておけなくて。
そんな「君」っていう人が、
だれかにかけた励ましの一言みたいな。
精一杯生きる君の声みたいな。
清々しくて大きい挨拶の声みたいな。
誰かに言われたあったかい言葉みたいな。
そんな「君」が、
めいいっぱい溶け込んだ光みたいな。
そんな君の、
「太陽のような笑顔。」