不透明なアクリルの夜空。至極色のこころ。
こころにぶつかった。鈍い音と火花をちらす。
消えかけの六等星と。一等星は心の一部。
父と母が離婚するらしい。
私は何にもしなくていい。
今のままでいい。それでいい。
父が家を出ていくらしい。
私は何にもしなくていい。
少し変わるけどいい。それでいい。
父が私達を家から追い出すらしい。
私は何にもしなくていい。
友達と離れるけどいい。それでいい。
父が他の女と同居するらしい。
私はなにもしなくていい?
私が父の一番たちじゃなくなるけどいい?
なわけないだろ。
離婚しても家を出ても家を追い出しても、
私が、私達が犬みたいに尻尾振ってたから
甘えてんのか?なめてんのか?
離婚しても家を出ても家を追い出しても、
私がお前の一番たちの中にいると信じてたから、
私はお前を愛していたんだよ。
馬鹿なのか?
なにも知らないと思っていただろう。
お前の新しい女の名前くらい知ってるよ。
あの付く三文字の名前だろう?
石膏像に恋をした。
滑らかできめ細かい白い肌と、
海を写したような深いシアンの目と、
花の蕾のように淡く色づいた頬と唇と、
量の多いウェーブのある濃いブロンズの髪。
決して動いてはくれないけど、
いつも白い肌に汗一つかかないで
いつもシアンの目を閉じて
いつも淡い唇は動かないで
いつもブロンズの髪は柔らかく揺れる
僕の大切なもの
今日はエイプリルフールです!
なので君にドッキリを仕掛けてみました!!
僕の優秀な部下たちが、君の下駄箱にきっと
君の大嫌いなモノを入れてあるはずです!!
俺の他にあいつと中が良かったやつから送られた
音質の悪い、いつ撮ったのかわからないビデオ。
渋々下駄箱を見に行くと下駄箱には手紙があった。
手紙の中にはいつだかわからないあいつと俺の
ツーショット写真。
写真の嫌いな俺がほぼ無理やり撮られたものだ。
馬鹿だなぁ。今日は4月2日だよ。
余命残り僅かな病室で、お前はこんな馬鹿なことを
していたのか。
楽しかったよ。
聴こえた気がした。
一人ぼっちの昼過ぎ六畳半。
窓を開けて窓辺で眠ろう。
太陽に背を向けて。
それでも、太陽は私を
暖かい光で見つめている。
溶けるようだ。