「ありゃー、、」
こりゃ結構降ってるよ
お母さんよ、今日は大丈夫って言ってたじゃないか。
ってこんなに激しいのはゲリラ的な、、
予報も外れとる。
んー、でもまぁすぐやむかなぁ
学校の下駄箱の辺りで外を眺めていたら
『入ってく?』
「え、」
『俺、これ、置き傘。ラッキーでしょ?』
と笑う君。
きゅん、、、
「い、いいの?」
『好きなやつと相合傘できるなんてこっちはラッキーなことしかないんだけど』
とまたサラッとぶっ込んできた。
「え⁈」
顔があつくなる。
(好きって言ったよね今。え、私の気持ち漏れたとかじゃなくて?え、え、)
『入る?入らない?』
じっとみつめられる。
そんなの、、
「入る、、、いれてほしいです。」
『ん。どーぞ』
ばさっと傘を開く。
「あの、、」
『ん?』
「私も好き。、、」
『ん。、、、
じゃ、今から駅前のビルで雨宿りがてらデートな。』
相合傘、ぶつかる肩があついのは君のせい。
君の方を見たら、
耳が赤くなっていた。
きゅんきゅんしっぱなしであつい。
どうしてこうなったんだっけ、、
窮地すぎじゃない?
落ちそうだよ私、、
人を助けようとして
自分が今落ちそうになってる、、
え、やっぱ死ぬかなぁ、、、
いや、ワンチャンなんかすごいケガぐらいで、、
いやぁ、、、うーん、微妙。
まぁ助けた人は大丈夫だからいっかぁ、、
意外にも冷静な自分に馬鹿げてくるけど、
内心かなりパニックだと思うんよ、私。
いやでももうこれ手が限界きたら落ちちゃうし、、
てかもう限界きてるよ
落ちそう、、、、
さよならも言えずに?このまま?
あっ、、、________。
記憶がそこで終わってて、、
目が覚めた時には病院のベッドだった。
目が覚めたってことは生きてる、、、
家族が
親友も
私の大好きな彼も、、
泣いてるじゃないか。
一応落ちたらしい。けど運良く下の草が茂っているところに落ちてなんとかなったらしい。
『よかった、、っ』
彼がそういって私の手を握る。
感覚も、、ある。
あたたかいし、私も握れる、、
私も自然と涙が溢れる。
助けた人も
自分も助かった。
ちょっと私かっこいいんじゃない?もしかして。
なんて考える余裕があるくらいにはホッとしている。
へへっと笑ったら
逆に大丈夫かこれ!とお父さんやお母さんが慌てている笑
私はまたしばらく夢の中へ落ちていった。
未来のことなんかわかんないよ。
今を生きてるんだもん。
正直今この現在、すごく幸せかっていったらそうでもないっていうか別にそんなこともない。
何もない。
何もないことはきっと幸せなんだろうけど、ならいいじゃないか。
でもどちらかと言えば苦労してきたと思うし、辛いこともたくさんあった。その度に乗り越えてきて、自分は強くなって、、
甘いのかな。自分はまだまだなのかな。
特別なにかいいことがあるわけでもない、
たまには泣きたいともある。
人前ではあまり涙を見せたくないし。強がりだから。
今を頑張ってるのに。これでも精一杯生きてる、、。
なのに
未来のことなんかわからないよ。
このまま生きてれば良いよ。十分だよ。
なんだかんだ生きてれば大丈夫だから。
それで良いよ。
1年前の今日、私は今この隣にいる人とある勝負をした。
“先に恋人作った方が勝ち!″
私にはそんなの無理だった。だって私には好きな人がいてそれは、、この人で、、。
『できてないね』
「う、うん、、、」
(い、、いおうかな、、好きって、、)
『、、、勝負ふきかけたのは俺なんだけどさ、』
「え、お、うん、ん?」
『無理な話だったんだよね、』
「へ?」
『だって、俺、、俺が好きなの、、お前、、だし。』
顔を真っ赤にしていうもんだから、
こっちも、、あつくなる。
『なんか、、言って、、よ』
「わ、私も、、好き。」
『え、』
「勝負しよって言われた時から無理って思ってた、、ずっと、。
ずっと、、前から好きだったから、、」
『、、、、それはなんか、わ、、悪かった。』
私に近づき手をとって
『1年、いや、すごい時間かかったけど、変な勝負してごめん。
大事にする、、だから付き合ってほしい。
好きだ。』
「うん。謝らないで。、、私も好き。
よろしくお願いします、、」
『と、とりあえず、、、、
ご、ご飯にでも、、行こう、か?照』
なんか甘い甘い時間がやってきました。______
「その本好きだよね」
『うん、そうだね』
彼は本が好きでよく読んでいる。
私はその姿が好きだったりする。
「結構その本を何回も読んでるイメージある」
『うん、好きなんだよね、読むたびになんかこうなんじゃないかとか本当はこうで、とか考えさせられるというか。おもしろい。』
「うん」
『君は、、僕の読んでいる姿を見ていつもなんだかにこにこしているね。僕なんか見ていてもつまらないじゃん笑』
「ん?つまらなくないよ、おもしろいよ」
『え?おもしろいの?笑』
「うん、じっくり考えて読んでるんだなーって」
『なにそれつまんないじゃん笑笑』
「好きだから良いの」
『、、照』
こんな本ばかり読む男の何が良いんだ、と自分でも思うのにそれを好きだという君はちょっとおかしい気もする。
だけど、いつも優しくあたたかい目でこちらを見てくる姿に僕もかわいいなぁと本当は思っている。
それはまだ伝えないでおこうかな。