「その本好きだよね」
『うん、そうだね』
彼は本が好きでよく読んでいる。
私はその姿が好きだったりする。
「結構その本を何回も読んでるイメージある」
『うん、好きなんだよね、読むたびになんかこうなんじゃないかとか本当はこうで、とか考えさせられるというか。おもしろい。』
「うん」
『君は、、僕の読んでいる姿を見ていつもなんだかにこにこしているね。僕なんか見ていてもつまらないじゃん笑』
「ん?つまらなくないよ、おもしろいよ」
『え?おもしろいの?笑』
「うん、じっくり考えて読んでるんだなーって」
『なにそれつまんないじゃん笑笑』
「好きだから良いの」
『、、照』
こんな本ばかり読む男の何が良いんだ、と自分でも思うのにそれを好きだという君はちょっとおかしい気もする。
だけど、いつも優しくあたたかい目でこちらを見てくる姿に僕もかわいいなぁと本当は思っている。
それはまだ伝えないでおこうかな。
なんか今日の天気ははっきりしないなぁ。
今6月、、梅雨の時期だし
わかるけども、
雨も降りそうだし、
曇ってて、かと思えば急に太陽が顔を出す。
なんとも、、、
てか、私の気持ちみたいだ。
私もはっきりさせなくてはいけないことがある。
ずっと、、ずっと昔からそばにいてくれる私の幼馴染が
この前
好きだ。
と言ってきた。
考えたことがなかった。いや、好きだけど、そういうふうに見たことがなくて、、
すぐに応えられなくて、
よくわからなくて
モヤモヤしてる。
考えては考えてはああああってなってる。
今日の空、最近の空は私のようだ。
「紫陽花好きだなー」
近所の家の庭に咲いているのを見て彼女がいう。
『こうもたくさん咲いてるとやっぱ綺麗だね確かに。』
僕たちはコンビニに行くついでに散歩している。
いわゆる良い休日だ。
たまには家でまったりみたいな、そういうやつ。
「この梅雨時に咲く花だからさ、
なんか良いよね、頑張ってる感じが。」
私も頑張らなきゃー!!
と繋いでる手をブンブンする。
『ははっ、ちょっと!笑笑』
ね、今日良い休日だよね。お花とか眺めちゃったりしてさ。
さぁさ、
『夜ご飯は何作ろうか?』
「ハンバーグ!!」
走れー!!とお家まで競争と言って急に走り出した君を僕は笑いながら追いかけた。
好きなのか嫌いなのかはっきりしてくれよぉ、、
「とほほぉ、」
と机に伏せる私を友達はぽんぽんと背中を叩く、そんな休み時間。まぁ恋バナだ。
『いや、でも嫌いではなくない?普通に話してるしー、何かとピンチの時助けてくれてるイメージあるし!』
「そ、そうだけど、、」
『え、それにこの前イベント行ってたじゃん!もうデートじゃん!嫌だったら誘わないよ絶対!』
「でも、、なんか恋愛に発展してはないと言うか、、好きなのかな?って思う瞬間もあれば、あれ?、なんかちがうかなみたいな、、」
『あいつわかりづらいところあるしね。謎というか。確かにあいつにとっちゃなんてことはないみたいな。』
「でしょーぉーーー?」
うぇーーーーんと変な叫び声とともにまた私は机に笑、、
『じゃあもう言おう!!こっちから!好きって!
か、聞こう!好きなの?嫌いなの?って!!!』
「そそそ、そ、それがむずいんじゃーーん」
なんてこういう悩みを話しているこの期間や時間も
楽しかったりする。恋はそういうものだ、、そしてこの恋バナこそが盛り上がるよね。
あ、
授業始まる。
好きか嫌いか問うのはまた後日。
君と思い出が詰まったこの街に
もう君はいない。
気まぐれというか、、
『本当ひどいよ、笑』
突然いなくなって
もう会うことはないんだろうな。
ぽっかり穴が空いたような、そんな感覚で。
少しだけ寂しい。
しばらくしたら僕もこの街をでよう。
ここにいては君を思い出してしまうからさ。
だからもう少しだけ浸っていよう。
良いよね。