「あ、蝶々!」
『お、あ、ははっ君の帽子にとまったよ』
「え、え、本当?笑」
『モンシロチョウ、だっけ、いいね。
菜の花畑に、君、そしてその帽子に蝶。
かなり絵になってる。、かわいい』
『ちょっと待って、はい。こっち向いて』
カメラをこちらに向けた。
カシャ
「へへっ、、照笑、良い感じ?笑」
『うん、良い感じ』
「あ、飛んでった」
2人で蝶を目で追う。
行っちゃったね、と見つめ合う。
『僕たちも行こうか』
どちらかともなく手を繋ぐこの瞬間に私はいつもきゅんとしてたりして。
〈ねぇお母さんー〉
「んー?」
〈お父さんとどうやって付き合ったの?告白は?どっちから?〉
高校生の娘に聞かれる今日この頃笑
「え、えー?笑どうだったかなぁ?照笑」
〈え!うそー!いいじゃーん!〉
うん。うそ。本当は
「、、覚えてるよ」
〈おお!〉
忘れられるわけない。大切な思い出。
「お父さんから。、
もともと学校一緒で仲良かったんだけど、私は結構想っててね。」
〈お父さん鈍感そー笑笑〉
ふふっ
「でもね、卒業式の時ね、お母さんクラスの男の子に呼び出されてて告白されたんだよね」
〈え、お父さんじゃない人?お母さんモテてる!〉
「私はもちろん断ったんだけど、近くでお父さん、見てたみたいで笑すぐこっちきて、」
“『ね、ねぇ!今の!汗
告白⁈え、どうしたの?なんて答えた⁈汗』”
「って笑すごい焦っててね。そしたら」
“『待って!なんて答えたかよりこれを聞いてほしい!今日卒業式終わったら言おうと思ってたんだ!!
、、ずっと君が好きだった!
これからもずっと一緒にいたいです。いてください!』”
〈わぁ、、お父さん本当に言ったの?すごい!〉
「うん、勢いもすごいし言ってくれたこともすごく嬉しくて、桜も咲いてて、その時のことはとってもよく覚えてる」
〈すごく、、素敵だね。2人が今も仲良しな夫婦で私も嬉しいよ!〉
「ありがとう。」
ガチャ
『ただいまー!あー疲れたぁー』
玄関の方から声がした。
2人で振り返って
〈「おかえり!!!」〉
笑顔で迎えた。
『どっちが先に恋人できるか勝負なー!』
「ふん!私が本気出したらすぐなんだからー!」
一年後
『本当に良いのかよ。』
「良いって何が?」
『いや、俺たち勝負、してた。』
「でも私が好きなのはあんただし、、」
「、、あ、あんたこそ!私が彼女で良いの⁈しょうがなくとか私嫌なんだけ___っ
『しょうがなくとかじゃねぇし!』
『俺もお前が好きだから!!っ、、勝負ふっかけといて信じてもらえねぇかもしれないけど、本当に、本気で好きだよ。』
「、、一年この、、勝負に、」
『この一年も埋めるつもりだし、もう離さねぇから。』
「私も。、、
私も離れないから!!!」
これからが2人のスタート。
「初恋っていつだったか覚えてる?」
『んー?うん、覚えてるよ』
「え、いつ?!!」
『えっとぉ、、、中1?だったかな。』
「そうなんだ、、」
忘れないもんだよねやっぱ、、
私は君が初恋で、初めての彼氏で、、、全部初めてなのは私だけかぁ、、。
春から大学生になるからと思って高校卒業の時君に勇気を出して告白したらまさかのOKで。
中学校のときからずっと想ってたのが実ってかなり嬉しくて舞い上がってるんだけど、、そうかー、
「、、ど、どんな子だったの?私も知ってるよね!中学だし!」
『え?、、ええ、、言うの?笑』
ちょっと困ってる君。
私も仲良かった子、、とかなのかな。言いづらいか。というか私も聞いたところで、
『、、、君だよ。照』
「え?」
彼の方を向いたら顔を真っ赤にしていて、
『初恋、君。』
「え、え!なんで!え、いつ、え私⁈照」聞いといてこれは私まであつい、、
『中学はいって、初めての席替えの時、
君が隣になったでしょ。
消しゴム、、僕に貸してくれたんだよ、忘れたって言ったら。
その時だな。』
『ずっとその時から好きだったよ。
だから、高校も同じところで嬉しかったし、
告白してくれたときはもっと嬉しかった。
、、、本当は、、僕からしたかったけど、先越されちゃった笑』
と照れながらいう彼が愛おしすぎて泣きそうだ。
『ありがとうね』
微笑む彼に
「大好きっ!!!」
私は抱きついた。
明日世界がなくなってしまうなんてことになったら
僕は真っ先に君に会いに行く。
会いにいけない状況なら
君が最後まで幸せでいられる方法を考える。
なんにもできないなら
僕は世界がなくなる前に消えちゃうかもしれない。
でもそれはもったいないから
やっぱ君に会いたい。
笑っていたい。
君と最後まで笑っていたい。
できればなくなってほしくないけど。
それが一番だけど。
君の隣で終われるなら後悔はない。