ページをめくるたび
たのしかったな
悔しかったな
辛かったな
幸せだったな
笑い合ったな
こんなこともあったな
そういえば…
溢れる思い
このアルバムにしまって
この 心のアルバムに
一生 朽ちることはないでしょう
きっと
ずっと
あなたとの日々
今も溢れている
この 輝く日々
お題
溢れる思い より
カタカタ、カタカタ。
窓が震えている。それもそのはず、こんなに寒い、冬の日なのだから。
夜の暗さにおびえて、布団いっぱいに潜り込む。
怖い。寒い。
寝られなくて お母さんのところに行った
お母さんに怖いというと、にっこり笑って
ほっぺたにキスしてくれた。
「おやすみ」
私にくれた、魔法のキス。
その後、安心して眠れたんだ
お題
kiss より
ある日突然、東京都心に水が溢れた。スクランブル交差点も道路標識も、全部 全部水に溺れた。
私は、キラキラ輝く水面を天井にして ブクブクと泡に飲まれ、沈んでいく。標識や道路が、まるで障害物のようで、夢中で避けた。やがて色とりどりの銀に光る小魚がやってきて、人魚になった気持ちになった。風のかわりにひんやりと冷たい波が、体を通り抜け、後ろへとはしっていく。
1000年先も ずっと水に浸かったままだった。
でも 人々は気にしなかった。
もはや、日本中が「海に沈んだ国」になったのだから。
お題
1000年先も より
「悲しい勿忘草」
シャッター街の角に 小さな花屋がある。
こぢんまりしていて、ぼろぼろになっているけれど、花 一つ一つが語りかけるようで、甘い香りに誘われて よく店をのぞいてしまう。その時よく、入口のまわりに青く輝く美しい勿忘草がちりばめられている。
勿忘草も 何かささやくようにゆれた
「わたしを わすれないで」
その青色の花びらは、涙のような悲しさを
私につたえたかったのかもしれない。
お題
勿忘草 より
キィィ。キィィ。
誰も居ない、静かな空き地で
キィィ。キィィ。
夕焼け空がぶれてみえて、次はじめんをけった。
キィィ。
あしたは 仲直りできるかな
お題
ブランコ より