いつも通ってた階段で話をしたっけ。
どっちがあの子と遊ぶかって話し合ったな。仲介者は、あっちの子の味方をしたよな。あいつら許さないからな。
諦めちゃった。そこで三人の縁が深まったけれど、私は孤独になったな。
そうそう、男の子三人に無理やり男子トイレに引きずり込まれそうになったこともあったな。
半ズボン履いてたから膝がずり剥けそうだった。
あーあと、教科書の間に挟まれた手紙。あいつが急にランドセル漁ってきて、これ開けていい?とか聞いてきて開けたら、暴言で沢山埋まってたよな。
見た時衝撃的だったし、何も言葉を発せなかった。あいつは、ひどい、やばい、とか言ってたけど、筆跡が完全にお前だったよな?
その後、先生達も有耶無耶にしたし、人間が信用できなくなった。
あれから、もう男友達とも話しずらくなっちゃって、完全な孤独になったな。
そんで、不登校になって二年生頃にだったっけ。
一階から飛び降りたんだよな。落ちたくないからしがみついてたけど、結局力が抜けてきておしりから落ちちゃったよね。息がまともに出来なかった。
痛かったなー。推しの配信開きながら大泣したな。
今でも親は知らないけど、死ななくて良かったな。
世の中の人間は、過去は過去だって言うけどさ──
こんなもん、どうやって忘れんだよ
忘れられない、いつまでも
一年後も変わらず私は、数学に苦しむだろう。
一年後も変わらず私は、人間関係に苦しむだろう。
一年後も変わらず私は、考え続ける自分に苦しむだろう。
決して、納得出来る一年後ではなくとも、自分が納得できるまで、私は生き続けるだろう。
一年後
明日世界が終わるなら、いつも通り過ごしたいなんて思ったが、多分無理だ。
世界が終わるという事実を受け入れられずに、何となくその日を終わるだろう。
あくまで理想で妄想の話をしよう。
二つほどある。
まず、外に出かける。最後の世界の空気を吸いながら、散歩をしたい。
真っ暗な田舎の雰囲気を堪能しながら、自分の好きな音楽を聴く。
自分の想いに耽るのだ。
まずは過去を思い出すだろう。
人生の道を踏み外してしまったな、なんて思いながら溜息をつく。
次は未来を思うだろう。
世界が続いていたら、この世で一番大切にしたい人を、作れていただろうか。
多分、最終的に思うのは、今考えても仕方がない。どうせ終わってしまうから、と。
人には、会わないようにするし、連絡もしない。
ただ、一人で世界を堪能したい。
最後は、ブランコに乗って紅茶花伝を飲みながら、この世に対して不満を言いまくる。
私が幸せに生きれなかった責任を取って、世界は続いて欲しい、なんて言いながら世界は終わるだろう。
もうひとつは、明日世界が終わるという事実に絶望している人間達をじっくり観ていたい。
明日世界が終わるなら
耳を澄ますと、何者かの声が聴こえてくる。
『何故世界はあるのか』
『何故人間は生きるのか』
『何故人は自殺するのか』
『何故人間は死ぬのか』
そんな事をまた何者かが答えを返す。
『そんな事考えたって君に利益は無い』
『死ぬ為に生まれてきたんだろう』
『地獄から逃げたいだけだろう、地獄に堕ちるだけなのに』
『たまたま、産まれてきたから』
そんな答に私は、納得をし、イヤホンで耳を塞ぐ。
耳を澄ますと
夜、寝る前に、妹ととある話をする。
時には、妹の相談。
時には、親の愚痴。
時には、遊ぶ約束。
色んな話をする。
真っ暗な中で、ひそひそ話が繰り広げられる。
親の足音がしたら、二人一気に布団に潜って、寝たフリをする。
バレているんだろうなと私は思うが、小さい頃から寝たフリをするのが、染み付いている。
足音が止んだら、またひそひそ話が始まる。
ある程度、済んだら「おやすみ」と言って、二人は目を瞑る。
私は、妹にしか話さない話が多い。妹もまた、私にしか話さない話ばかり。
この時間だけは──
二人だけの秘密