君が紡ぐ歌
初めてこの世に生まれ落ちた日、それは泣き声から始まった。
上手く言葉にできなくて、泣いて伝えてくれた。
遊ぶと嬉しくて、笑い声をあげた。
初めて呼んでくれた。
悲しくて泣いた。
自分でやりたくて大きな声をあげた。
楽しくて笑った。
悔しくて泣いた。
歌を歌った。
おともだちの名前を呼んだ。
あいさつをした。
将来の夢を語った。
今まで君が紡いできた歌を聞いてきた。
これからも君が紡ぐ歌を聞かせてほしい。
光と霧の間で
光と霧が混ざると真っ白で何も見えない。
自分が今どこにいるのか、どちらに道があるのかわからなくなる。
どこに向かえばいいのか、途方に暮れて、その場にしゃがみ込む。
涙が出そうになる。ため息が出る。
もう一度周りを見ても、変わらない。やっぱり途方に暮れる。
しばらくそのままで動けなくなる。
さて、霧が晴れるのが先か、光が消えるのが先か…
砂時計の音
サアァー
じー
サアァー
じー
サァー
じー
スー
じー
スッ
コト
サアァー
無限に続く、静けさと時間
眺めながら、いつしか眠りにつく
消えた星図
「あれ?」
机の上を見た。
だが、探しているものは見当たらない。
「おかしいな。確かにここにあったのに。」
どこか別の場所かと思って順番に引き出しを開けてみるが、見つからない。
「どこにやったんだろう。」
一度探し始めると気になって仕方がない。
順番に机の上やその周りも探してみるが、やっぱり見つからない。
「はぁ、見つからないなぁ。」
諦めて椅子の背もたれに背を預ける。
遠くを見つめるようにぼんやりとして、はっとする。
――そうだ!あそこだ!――
思い出して、立ててあるファイルを開く。
「あった。」
ページをめくると、そこに探しものが見えた。
それは、黒と藍が混ざった色に白い点が散りばめられている。きれいな半円も描かれている。
それは満天の星空、星図のイラストのポストカード。
LaLaLa Goodbye
♪〜♪〜♪〜
音が聞こえる
♪〜♪〜♪
誰かが唄ってる?
♪〜♪〜
歌詞もない、ハミング?
♪〜♪
少しずつ遠くなっていく
♪〜
ああ、違う
♪
私が遠ざかっているんだ