NoName

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8/4/2022, 11:46:57 AM

「今日の心模様は"曇り"」

機械的にスマホの画面に書かれている言葉に俺は溜息を1つ。
最近の人工知能は心模様まで予測できるらしい。
昔の純粋無垢な俺だったら目を輝かせていただろう。
だが、これはそんな喜ばしい物ではない。
よりによって今日だとは。
今日は、彼女にプロポーズをする予定だ。
画面に映し出された根拠も定かでは無い言葉に、自然と気持ちが下がっていく。
世の中には知らない方が良いこともあるもんだ。
そして、この生憎の雨にも嫌気が指す。
神とはここまでも無慈悲なのか。
俺は、重い鉛のような足を動かしながら彼女のもとに行く。


愛の女神は俺に微笑んでくれることはあるのか。

8/3/2022, 12:58:46 PM

目が覚めると私は泣いていた。
悪夢でも見たと思われるが、私の最後に見たのは愛おしい彼だった。
もう会うことのない彼。
夢ぐらい幸せでありたいのに。

8/2/2022, 11:01:11 AM

病室に1人。
穏やかな風が窓の隙間から通り頬を掠める。
読んでいた小説がパラパラ捲られる。
温かい日差しが眠気を誘う。
こんな穏やかな日が明日も来ればいいのに。

8/1/2022, 10:30:06 AM

明日、もし晴れてたら

きっと私は朝の日差しを浴びながら、妻と共に談笑しながら朝食をとる。

そして、覚束無い妻の足を支えるように腕を絡め、近くの公園で散歩するだろう。

外に出れる機会が無い妻との貴重な夫婦の時間。

長年寄り添いあってきたこの愛おしい時間は何物にも変え難い。




妻の手を触れる。
もう手遅れか、手の温もりは妻の魂と共に薄れていく。長いこと傍にいたはずなのに、この別れを知るとどれだけ短いかが分かる。もう、朝食で談笑することも、公園で散歩することも、叶わないのだろうか。
冷たくなる妻の手が、夢が覚めるような感覚がして頬に涙がつたう。

嗚呼。

もう少しだけ傍に居れるとするのならば

7/31/2022, 5:31:38 PM

ただコンクリートに覆われた、椅子以外何も置かれていない空室にただ1人。

つまらない。

そんな小さな独り言を呟くが、
それは無駄に広いこの部屋によってかき消された。
まるで心に空いた穴みたいな孤独感。
きっとひとりぼっちとはこの事を指すのだろうか。

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