失われた響き
⚠️ナマモノ⚠️
久しぶりの雑談(完走感想配信)に沸いたので。
50時間お疲れ様でした。
参考:俯瞰善/ヨシヅキ参謀×吉田夜世
════════════════════════════════════
時々心の深呼吸が必要だと、俺は思う。
息が詰まるのだ。
突然俺の周りから酸素がなくなってしまったみたいに。
配信、コメント、スーパーチャット。
グループの仲間と、リスナーと、俺。
いつも好きなことをして、バカを言い合っては、1000人ちょっとのリスナーと笑い合う。
それはたしかに楽しいはずなのに、たまに少し苦しい。
好きなもの、好きなこと。
それらをずっと好きでいるのは難しい。
毎日毎日新しいものが生み出されて、ひと月も経たず消えていく。
万物流転、大量消費社会の海の中で水泡のように漂う俺は、いつか彼らの記憶からも消えてしまうのだろうか。
そんな不安が俺の体を縛り付けて、息ができなくなって、どうしても右クリックを押せない時がある。
楽しいことだけでは生きていけない、仲がいいだけではやっていけない。
人生の先駆者は大概そう言った。
生きるということは、辛く苦しいもの。
本当に?
俺はそう思わない、そう思いたくない。
好きなことだけで生きていたい。
大好きな人たちと、それを分かちあって生きていたい。
それはそんなにおかしなことだろうか。
倫理をもって常識を疑え。
居場所を壊さないよう道を違えず、型に嵌ることなく。
俺の厨二病《アイデンティティ》が俺の在り方を教えてくれる。
不安を吐き出し、いつもの俺らしさをインプットする。
深呼吸をするように、一度、二度、ゆっくりと。
少しだけ息がしやすくなった気がした。
タスク、完了。機材、問題無し。心拍数、正常。
数日ぶりの右クリック。
今度はちゃんと押すことが出来た。
さあ、今日は50億年ぶりに雑談でもしようか。
"心の深呼吸"
⚠️ナマモノ⚠️
5周年おめでとう。
これからも13人が良き友達でありますように。
参考:砂の惑星/ハチ
════════════════════════════════════
砂に塗れた不毛の地。
草の1本も生えない立ち入り禁止の星。
そこに俺たちはあの日、林檎の木を植えた。
今日は、俺たちの5回目の誕生日。
実った果実は俺たちの努力と友情と勝利の証で。
俺たちはこの5年の間、ありとあらゆる楽しいことに挑戦してきた。
スイパラ、大型イベント、カフェ、バンドライブ。
上手くいかないことだってもちろんあったけれど、それがまた面白くて、楽しくて、最高に愉快だった。
全てがスリルに満ちた冒険で、全てが忘れられない俺たちの歴史の1ページになった。
この旅はたくさんの時と人を繋いできた。
それは俺たちだけの力ではなくて。
それでも俺たちがいなければ生まれなくて。
平均約3分半のパラレルワールドと俺たちを繋ぐ時の糸はこれからも途切れることなく続いていくのだろう。
細く、目に見えなくなっても手繰り寄せたい。
またこの木の下に立つ時、同じ13人であれたらいい。
俺たちの誰も欠けることなく、また笑い合いたい。
きっとその頃には新しい林檎が実を結んでいるはずだ。
あの日あたたかくなった心の温度を、俺たちはきっと忘れられないのだ。
だからもう少しだけ友達でいようぜ、今回は。
"時を繋ぐ糸"
さく、さくり。
から、からり。
彼が落ち葉を踏む音と、風が枯れ葉を舞いあげる音。
私はまだ、あの秋を忘れられずにいる。
「焼き芋フェスティバルがあるから行ってみよう」
そう言い出したのは私だったと思う。
いつも彼を外出に誘うのは私の方だったから。
彼はいつも二つ返事で着いてきてくれる。
なのに、私が誘わなければ一緒に出かけてくれない。
私もインドア派だから、結局家で通話する時間の方が多かったけれど。
思い出は多い方がいいと知っていたから、突然彼を誘って遠出する気になったのだ。
そのおかげで夏が過ぎて秋になってもまだ、君のことを忘れられずにいる。
キッチンカーを回って好きなだけさつまいもスイーツを頬張った。
私が食べきれなかった分は君の胃に収まった。
その後、秋服を買いにアパレルショップを覗いて、あーでもないこーでもないと君を3時間も付き合わせたね。
あの時はごめんね。私、わがままな上に優柔不断なの。
「どっちも似合う、俺は右が好み。だからお前は左の方買いたいんじゃないの。」
私のことをよくわかってる君の返答。
たしかに左の服の方が私の好みだった。
だけど君のその言葉が無性にうれしくて。
たまには君好みの服も着てあげようかな、なんて思ったりもして。
結局右の服を買ってみた。
すぐに雪が降ったから次の秋までお預けだったけどね。
そうして家に帰った…そうだ、帰り道にあったハプニングも忘れちゃいけないよね。
私が迷子になったんだっけ。
それで君が息を切らしながら走って探してくれたんだ。
この歳にもなって迷子なんて恥ずかしくて、情けなくて、ちょっぴり泣いちゃったこと、君は気づいていたかな。
思い返せば迷惑ばっかりかけてたね。
私は君にふさわしい人間じゃなかった。
それでも、相棒としてそばに置いてくれて幸せだったよ。
君はどうだった?
俺はお前に救われてる、って言葉はまだ有効ですか?
それから、君がいなくなってから気がついたんだけど、君は私の人生の道標になってたんだね。
「……私はあんたがいなくなってから、どう生きたらいいのかわからなくなったよ。」
少食な私の食べ歩きに付き合えるのは君くらいだから、もうあのフェスには行ってないよ。
優柔不断でわがままな私の買い物に付き合えるのは君くらいだから、服は通販で買ってるよ。
私が迷子になっても必死に探してくれるのは君くらいだから、もう遠出するのもやめたよ。
でも今日は特別。近くを歩いてみようと思うの。
カーテンの隙間から見えたイチョウの葉が、君の手のひらに落ちたものによく似ていたから。
あの日と同じメイクをして、君の好みの服を着た。
さく、さくり。
から、からり。
私が落ち葉を踏む音と、風が枯れ葉を舞いあげる音。
私はまだ、あの秋を忘れられずにいる。
"落ち葉の道"