ぺんぎん

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8/27/2023, 4:00:44 AM

きみがほおばるたびに、ぽろぽろぽろとゴールデンチョコレートのゴールデンこぼれて、それをひとつずつたしかめるように拾って、わたしはそれを死にぎわの花火みたいと思って、そういえばもうじき夏が終わるらしくて

8/24/2023, 12:43:18 PM

ずっと持っていた。きみが向こうに行ったあとすぐ、清潔そうな便箋と一緒に送ってくれた、にじ色のいるかのキーホルダー。たくさん光にかざして遊んだ。眠るときはいつも、枕もとに持ち出して、プラスチックの体じゅうにキスした。ほんとはきみにしたかった。かたくなくて、冷たくなくて、にじ色じゃなくても十分かがやいていたきみに。

8/23/2023, 10:08:46 AM

雨がいよいよ激しくなり、それでもきみのことを待っていたのは、きみが見すえた未来に、わたしはいないような気がしたから。だからせめて、きみのなかの、一途なひとになりたかった。きみがわたしを手放したことを痛んでほしかった。きみに残りたかった。きみの人生にすこしだけでもわたしの体をかたむけたかった。

8/21/2023, 10:09:48 AM

あなたの庭に揺れる、果実をいくつかもいで、ジャムにして。あなた自身であるかのような、ふっくらとしたやわらかなアプリコット。じっくりと時間をかけて、実をくずして。ざりりと砂糖をまぶして、その時間ごと瓶に詰めて。わたしはそれをスプーンで毎朝ひと掬いして、トーストにそれをずりりと擦る。瓶が空になったらあなたをすべて忘れる。

8/20/2023, 4:08:02 PM

すきだった、てあくまで過去のうちでしか話せない気持ちを、きみのその、けがれのない胸のひきだしに詰めておいて。こわれないように、みせかけの愛でできた緩衝材でもふくませておいて。ついでにきみの手書きの文字ばかりの手紙を入れておいて。あるとき、思いついて振り返って、その思い出を恨まないように。

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