ぺんぎん

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5/21/2023, 2:17:37 AM

ただ、なにを差し引いたとしても、そばにいたかった。このままきれいな世界でふたりだけで。だから待っていた。きみはきみだから すきだった。きみがここを離れる前にふたりで遠くに出かけたことがあった。体が焼け落ちるほどにあつい愛をぶつけあった。ふたりの部屋にふたりの呼吸だけが充満して、もうこれが棺おけならいいのになんて思っていた。

5/18/2023, 2:24:23 PM

きみと、なんの隔たりもない世界で、せーので呼吸をしてはじめてわたしたちやっとそばにいるって分かる、心もとなさも噛みころして生きてきた、久しぶりにきみの目を正面から受け入れる、ただ、その全てが、美しかった

5/16/2023, 10:47:39 AM

はじめてきみと口づけをした日を思い出していた。そのときふたりともがきゅっと目をつむって、それがいけなかったのか、開きかかった唇から覗く互いの前歯ががちんっとぶつかった。不格好できまらなくて痺れるように痛いのにそれさえ嬉しかったのを覚えている。

5/13/2023, 11:21:12 AM

きみのぬぐってもぬぐいきれない汚れを、もう戻ることはない歪みを、覆い隠してやりたくてでも、そんなことはできなくてただ、手応えがないほどうすい食パンにざりぞりとジャムを塗る

5/12/2023, 10:27:07 AM

わたしは、まっすぐに伸びた縄の端っこを持っている。あなたは、もうひとつの端っこを持っている。もしあなたが誰かをこの縄でぶったならわたしも同じ罪を背負う。あなたがわたしをぶつのならわたしはその痛みを受け入れる。もしあなたが自身の首にその縄をからめて泣くのなら、わたしはあなたの命の果てるさまを想像して、さもあなたと同じ痛みを抱えているようなそぶりをして、いっしょに泣いてあげる。

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