ぺんぎん

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3/6/2023, 8:43:42 AM

わたしの手のひらが、脚があの金魚のもつ橙の尾ひれになればいい
そうしたらいつでもあなたのそばは多分夕焼色で、それが目いっぱいにのぞくの
そうしてあなたの身体の落ちこむ夜に、いちばんきれいにたゆたうの


3/4/2023, 12:04:17 PM

君とわたしの不揃いな身体が、たとえふたつ同じように揺られて同じように生きていたとしても、それら人生の価値がどうにかしても、ふたりの間で変わってしまうことに、未だに抵抗をおぼえていること、
その抵抗でさえも多分、春のひと時だけのやさしさにもうすぐ、掻き消されてしまうこと

3/4/2023, 5:08:57 AM

わたしはいつもポニーテールに結う、あのうなじあたりのがらんとした涼しさは、
誰からの失望ののちの、へんな冷たさにによく似ているから怖いね
わたしは花びらごと閉じ込めて身のままに凍った今朝の薄氷みたいな鋭く情けない期待を潰した

2/25/2023, 2:25:13 PM

ふたつめのプリンを食べ終わると一緒に、すべて放り出したくなった
あたしは咥えたスプーンを歯でがちがちと噛み、そうして得られる痛みがあることを知り
次の恋に向かうにはまだ、あたしは脆すぎると、大きなティラミスの皿を半分残す

2/23/2023, 10:26:00 PM

愛してる、などというのは、等しくみなが持ってる感情ではなくて
君は運良くその感情を持ち合わせていて、それをわたしに分け与えようとする
わたしは手のひらで心を隠していても、その指のあいだをくすぐるようなあたたかさを
ちゃんと、こそばゆく思っているのです、

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