ぺんぎん

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9/16/2022, 4:10:49 PM

空っぽの臓器に酔いを回そうぜ、酒が不味くなる話はここらで終い
いつだって無気力な君はぱたたって雨を落とした、ちいさなグラスを揺すった
宵に媚びて、微睡んで揺蕩う、色褪せぬ熱を詰め込んだカラメル色
こくん、て喉の音と安っぽい硝子がきゃり、て擦れる音が咄嗟に混濁し
簡易的な雨で濡れた手先、血が滾ってとくんとくん、つくり物のように指を浮かす
寝てもないのに二日酔いか知らないが、これからの行為と頭が熱に化かされて鈍く重たい

9/16/2022, 7:06:18 AM

口元だけあげたままの笑み、今夜どうですかって指さし
まるで価値の見いだせないその淡白に飲み込めそうな顔、なんて気味悪くてかわいい
泡立った胃液を吐瀉、空っぽになって転がって勝手に煌めいてる空き瓶
ああ所詮需要と供給までの無力な晩餐会をしましょう
ああ2人ウイスキーに絡まったバニラみたいよ、って一言声出してみれば

9/8/2022, 6:55:11 AM

後ろめたい君の残しもの、名誉、ぱきぱきとひび割れて
あちらも其方も地雷だらけで、踏みにじる英雄の燃え殻
とっくに冷えきったスープを前に、食べかけのパスタを分け合って
テーブルを囲うのも億劫なくらいに君は、あまりにも奇麗なままでいてくれて
もうおしまいだ、限界だって笑って、私達このまま宵と踊り狂ってさよならしましょう
さっさとフォークに絡まった私たちと、端正な姿形、君はなんで笑うの
終いにしよう、こんな晩餐は、なんて都合がいいですか
腹に溜まる味わいと穴だらけの憎悪、徐々に腐るフレンチをひとりきりで頂いている

9/6/2022, 3:30:47 PM

君に触れ合ってできたときの擦り傷が今ごろ痛みだしたの
身体中切れあって、擦れて、喚いても結局残ったのは一欠片程度の愛情だった
惨めな英雄は私を攫っていつしか半端に時を刻んで傷を付けていったんだ
それでも私は救われたの、裏切ることなき純粋な恋に

9/3/2022, 3:12:17 PM

君の一部分が私のものになってくれたら、それで
首もとにあてがう注射器を笑って押し込んだ、君の上澄みはいつだって奇麗
そんな倫理性に欠けた思考をまるごと愛情と呼べるくらいには
君は私の脊髄

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