「えぇー分かる!私も好き」という共感としての言葉を何回使えばいいんだろうかと思いながら、再び言葉に出す。そうしていると、本当の好きなんて分からなくなって、じゃあ、自分って何だろうともなってくる。そういう私のこと嫌いだ。
2024/06/12『好き嫌い』
『ススキ』
車にぶつけられたんだろうなと見て取れるフェンスに寄り添うようにススキが生えている。
久しぶりに歩く実家への道。今住んでいるところなら、こんな砂利の駐車場は無いし、ススキなんて背の高い草は見ないな。
たった3年なのに、こんなにも懐かしいんだっけ。学校帰りにさっきの自販機でカルピスを買って、あそこで真っ暗になるまで話をしていたな。わたし、まだ若いのに、こんなに懐かしい気持ちになるんだ。なんか、とても、愛おしい。
そうだ、今日はお月見だから、1本貰っていこうかな。お土産になるかは分からないけど。
2023/11/10
『たとえ間違いだったとしても』
これだ。この道を進むんだ。たとえ間違いだったとしても、私が真剣に歩んだ道は確かになる。間違いや正解の道ではない。確かな道だ。
2023/04/23
「雫」
ピチョン。ピチョン。「あぁ、雨樋が歪んでるなぁ」この長雨が上がったら直そうかと昨年の梅雨も思ったか?これはデジャブか?今年こそは覚えておかないと。でもさらさらと降る雨の中にピチョンという音は可愛いな。うんうんやっぱりこのままでいいということにしようかな。
2023/04/22
『何もいらない』
あぁ……またこの手から滑り落ちていく。いつもそうだ。掴んだと思ったそばからこの手をすり抜けていく。こんなに欲しいと思ってるのに、どうして許してくれないのだろう。私が何をしたというのだ。持たぬ星に産まれたというのか、お前には無理だというのか。何度人生を巡りお前を見つけてもすんでのところで逃してしまう。また追いかけ続けるのか、この孤独な時を過ごせというのか。もう私は耐えられそうにない。今この時にお前の手を取れないのであれば、もう何もいらない。
2023/04/21