#欲望
―――
冷めやらぬ永遠の乾き
人は大概、その果てを探し
その人生を歩む
...果てなどなかろうに
どうして、と理由を考えるならば
満足できる結果が欲しいのだ、大概の人間は
#遠くの街へ
―――
きっかけは、なんだっただろうか
「旅に行かないか」
まるで、近くのコンビニに誘うように
軽々と言われた言葉
少なくとも、ポテチ片手に夕方の再放送ドラマを見ている時に言う事では無いだろう事
...だが、不思議と嫌だと思う事はなかった
そして、何より
「良いよ、何処に行く?」
彼との、二人旅も悪くないと思った
#現実逃避
―――
決められたレールを飛び出して
先行き不明の旅に出る
乗り物だって、整備が必要だろうから
時に迷って、時に直感に任せて
そうして、新鮮な空気を吸い込んで
また走り出せる様に
#君は今
―――
何をしているだろう
ふと、空を見上げ想う
澄みきった青に、冷たい空気を裂く日差し
嗚呼、こうだったら良いのに
目元を片手で隠しながら、そう思う
何をしているのか、そんな事すら把握できないし
会って、話す事も叶わないけれど
それでも、こうして思い出してしまう程の人だから
初めて、愛してしまった人だから
どうか、この空の様な晴れやかな心で居てくれれば良い
そんな事を、秋半ば
君の名が刻まれた石の前で、そう思っていた
#物憂げな空
―――
窓を叩く雨粒に、吹き付ける風
水分を吸った衣服は、色を強め重さが増している
一歩一歩と踏み出す度に
ぴちゃりと鳴る音が何処か心地よかった
――雨の日が好きだ
そう言った時、一体何人が共感してくれるだろう。
湿気で髪が、服が濡れる、気圧での体調変化、等など
嫌な理由を聞けば、沢山出てくる事だろう
だが、少なくとも
僕の周りに、雨好きを肯定してくれる人は居なかった
雨は、良い
何時もの、明るいだけの空とは違う
まるで、共感してくれている様な
心の憑き物を、洗い流してくれるような
そんな事を、僕は思っている。
――今日も、雨が降っている
憂げな空は、今日も僕の一歩を支えてくれている