NoName

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2/11/2026, 10:47:51 AM

#この場所で

―――

我儘だと思う
また背負わせてしまうと思う

目の前に、作り笑顔がある
水滴が、ポタリと頬を濡らした

...嗚呼、俺は最低だ

そんな、取り繕わさせているのは自分なのに
きっと、此奴は引きずってしまうのに

最後が此奴の腕の中で
最後に見るのが此奴の顔で

「―――ありがとな、」

”幸せだ“と思ってしまった

2/10/2026, 12:48:05 PM

#誰もがみんな

―――

灰色の空と、スッキリしない空気に煽られ、溜息が零れた

足元に目を向ければ、彼が居る
目元にくっきりと黒を刻んだ彼が

自分の為〜だとか言いながら
結局は他の為に動き回る姿はそれらしいが

それでこんな顔を作ってしまうのだから、しょうがない奴だと思う。

それに、30分仮眠を取るのにあそこまで渋る事はないと思う

そんなこっちの気も知らず、眉を解し目を閉じている
...だから、頬をつまむくらいはしても良いだろう

少し歪んだ顔がすぐに戻るのが面白くて、起きてる時なら間違いなく苦言が飛んできただろう事を思って。
思わず、笑みがひとつ

だからお礼に、時計の針を一時間程ずらしてやる

それで彼が起きたなら、もう一度言ってやろう

「誰もお前にそこまで求めてねぇんだよ、ばーか」と

そうしたら少しは怒って、記憶に残してくれるだろうか

そんな事を思いながら、窓の方へ目を向けた
まるで夜だとでも言いたげな空が、窓をパタパタと叩いていた

2/9/2026, 11:18:20 AM

#花束

―――

想いの丈を表せと言うならば
何本でも足りる事がないからさ

どうか、三本の薔薇で許しておくれ

2/8/2026, 11:49:59 AM

#スマイル

―――

彼奴の笑顔が好きだった

よく言えば澄まし顔
悪く言えば、死んだ魚の目のような。

そんな彼奴が、甘味を前にした時だけは
ふわっと、花を綻ばせるのだ

最初は、物珍しさからだった...のだと思う
けれど何時しか、そんな彼奴の顔が見たくて
紙袋を提げ、彼奴の元へ足を向けるようになった。

甘いものが得意でない事が重なって、同じ様な物を渡す事が多いのに。
普段の態度が嘘のように、素直に礼を言われ驚いたのは最近の事の様に思い出せる。


「んーっ!」と、聞き慣れた声に思考が戻された
目の前には、フォークを片手に花を咲かせる彼奴

知らない味じゃないのに
本当、美味しそうに食べるものだな

それを見る為に甘味を渡す自分を棚に上げながら、湯気立つ珈琲を口にした。


2/7/2026, 10:28:48 AM

#どこにも書けないこと

―――




空白





眼前に広がるそれに、ほっと息が漏れた
嗚呼、まただ、と

『まずは、気持ちを文字に起こしてみてください』

そう言われたのは、何時だっただろう

言う分には単純で
僕にとっては最も難しい事

確かに、心の燻りは感じるのに
どうやったって、どうしたって
それを表す、適切な言葉が分からない

だから、未だそれは空白のまま

...それを見る度に、底から焦りが込み上げる


本当は、自分の勘違いなのではと
ただの逃げの言い訳で
世間で言われるような状態じゃ、ないのでは――


グシャッと、空白にシワが寄った
脳を侵食せんとする考えを、揉み消すように


...今日もまた、白が黒で埋まる事はなかった

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