今年もこの時期がやってきた。
そこで待っていろ!
我が宿敵「宿題」
「地球」
それは人が住まう星。緑があり水もあり人が生きていける数少ない星。
しかしひとたび外へ出れば過酷な環境に人は耐えることが出来ない厳しい世界が待っている。
それでも人は空へと夢を見る。
まだ見ぬ星への旅立ちに歩み続けた。
ここではないどこかへ...
その花は繊細のようで、繊細ではない。
雨の日でも、嵐の日でもその花は耐えた。
生まれた時なんかは固い地面でさえ根を張り、力強く育っていった。
お日様の日光を浴び、雨水から栄養を取り続け成長していった。
ある日大きなモノにその花は踏まれてしまった。
地面へと落ちた花は悲しく横たわった。
しかしその花は諦めなかった。完全には折れていなかった花は徐々に天へと登るかのように綺麗な花を咲かせた。
見るものを魅了し、甘い香りでいろんな生き物を引き寄せた。
いつしかその花に近づきたいと思うモノも現れ始めついには花を摘んでいたのだった。
しかし摘まれてしまったその花は雪のように淡く溶けて消えてしまった...
ここは夢の中だ。
そう思うのは何故か?
好きな物を食べて、好きな遊びをして、好きな人とも会える。
何でも叶ってしまう夢のような居心地の良い場所だ。
でも現実味がない。
好きな物を食べても味はなく、お腹が満たされない。
好きな遊びをしても疲れを知らず、身体で感じない。
好きな人と合っても笑うだけで、話してはくれない。
頭で思い描くだけで現れるそれらに私は何を望んだのだろうか?
現実で叶えたいから夢を見るのか、現実から逃げたいから夢を見るのか。
夢を見ているのか、見せられているのかさえわからない。
でもこの「夢」から抜け出す気持ちにもなれない。
幻のような現実に魅せられているようだ。
このままここに居続ければ私は夢と現実の区別がわからなくなるのだろうか...
「さよなら」
私はその言葉が嫌いだ。
その言葉を言ってしまったらもう二度と会えなくなる気がする。
「さよなら」
私はその言葉は言いたくない
その言葉を口に出してしまったら傷ついてしまうから。
「さよなら」
私はその言葉を聞きたくない。
その言葉を言われる度に悲しく、寂しい気持ちになる。
「さよなら」
私はその言葉を言う前に伝えたい。
「さよならと言わないで」