その花は繊細のようで、繊細ではない。
雨の日でも、嵐の日でもその花は耐えた。
生まれた時なんかは固い地面でさえ根を張り、力強く育っていった。
お日様の日光を浴び、雨水から栄養を取り続け成長していった。
ある日大きなモノにその花は踏まれてしまった。
地面へと落ちた花は悲しく横たわった。
しかしその花は諦めなかった。完全には折れていなかった花は徐々に天へと登るかのように綺麗な花を咲かせた。
見るものを魅了し、甘い香りでいろんな生き物を引き寄せた。
いつしかその花に近づきたいと思うモノも現れ始めついには花を摘んでいたのだった。
しかし摘まれてしまったその花は雪のように淡く溶けて消えてしまった...
6/26/2023, 8:32:32 AM