言葉知らず

Open App
7/30/2023, 2:00:51 PM

彼女の瞳に花火が映る。
澄んだ瞳にキラキラと光る。
一瞬の静寂のあと、ドッドッドッと音が来る。
どうにかこの音を誤魔化してくれ、爆発。

7/29/2023, 1:00:20 PM

無音。
凍ったビーチに嵐が吹く。
されど、波は立たず。
冬の嵐が街に吹く。
吹けど、震える人はもう居らず。
いつかビーチが溶けたなら
静かに波を立てる海辺で、きっともう一度会おう。
そう誓ってからどれぐらい経っただろう。
あの日二人生きた日の死骸へロケット。

7/28/2023, 11:47:33 AM

夏の神社の前の通り。
立ち込める煙と鼻をつく油とソースの香り。
細道のほうを見ればカップルがいちゃついている。
願いと目的を失った仮想的お祭りに果たして意味はあるのか。そんなことを思いつつりんご飴を囓る。
そのとき、風が吹いた。
生暖い風だったが、右の方を抜ける風が少し寒い。
ひゅう。

7/27/2023, 11:17:54 AM

「人よ、私は死ぬべきなのか?」
スクリーン越しに舞い降りた天の神は私に問うた。
人はすでに命を御し、感情を御し、運命を御した。
一つの党の指導者によって統一されたこの世界。
党が人生を決め、情報が感情をコントロールする。
党とは、もうこの世を統べる神であった。
少しして、天使が路地裏からやってきた。
私はどうやら精神異常者らしい。
おお、神よ!
私はジンを一杯あおってニィと笑う。
勝利の味だった。

7/26/2023, 11:09:08 AM

「やります。特に予定もないですから。」
急に頼まれた人探し。二人の少女を探せという。
夕日は赤く、空には黄金の雲が浮かんでいる。
死ぬには良い日と思っていたが、予定が入った。
どうせ捨てるはずだった命だ、使ってやろう。
路地裏のフェンスを越えて、ないはずの4番線で6両編成の無人列車に乗り込む。気がつくと日はずいぶんと大きく、低かった。夕日かと思っていたが日は東。時計は4:30を指したまま止まっている。
気がつけば列車は終点の街に停まっていた。
どこか懐かしく、寂しい街だった。

Next