#42「好きな色」
俺は青紫色が好きだ
青色でいて、紫色が混じっている
この不思議な色は俺を虜にした
赤色も緑色も好きだ
緑は緑と一言で言っても
はっきりした色がない
人によって緑は緑でも
明るい緑や暗い緑など
これこそ十人十色って言っていい
特別思い入れがある訳では無いけど
俺にとって全部大事な色だから外せない
#41「あなたがいたから」
君が俺に「死ぬなよ」と声かけてくれた
気にかけてくれるあなたがいたから
俺は今を生きている
価値などないと思って生きていた時
君が差し出した手は救いだった
地獄のどん底から引きあげてくれた
そうやって落ちないように腕を持つ人がいる
俺は周りに恵まれている方なのかな……
#40「落下」
どこまでも続く1本の道
空と木々の隙間から木漏れ日が道を照らす
真っ直ぐにどこまでも伸びている
でも足元を見なきゃダメよ?
どこからか聞こえてきた女の人の声
僕は聞こえたような気がした
その日から足元を気にするようになった
僕はある日、道のど真ん中に開いた
大きな落とし穴に気付かず落ちてしまった
そしてもう、元の道は歩めない
もう、道の上に戻ることすら出来ない
僕は酔っぱらいの車とぶつかって
二度と、人生という名の道を歩めない
#39「未来」
未来の僕へ
これを読んでいる僕は今、何をしていますか
よく未来へ当てた手紙に見かける気がする
でもそれを読んでいる時の僕は
いつも凄いことなんて何一つしていなくて
書いている僕がそのまま大きくなっただけで
やりたいことはあるのに
叶えたい夢はもうあるのに
そこへ飛ぶ脚力がなくて
自分で自分が嫌いになって
卑下をして
病んで
壊れて
僕は
骨に戻るんだ
#38「1年前」
今年は従兄弟が亡くなってから1年目
ずっと笑顔で
頑張り屋で
頭良かった従兄弟
12年という年月で亡くなってしまった
僕は従兄弟が好きだった
大好きだった
葬式
もう届かないとわかっていても
お礼は言わずにはいられない
僕は思わず従兄弟の体に向かって
「凄く楽しかったよ。ありがとう
また沢山遊ぼうね
俺のところにまた来てくれる?」
辛かった
泣くまいと抑えていた涙が溢れ出す
火葬
もう、従兄弟の体は二度と見られない
あの世へ旅立ってしまったことが信じられなかった
ねぇ、どうしたらまた話せる?
ねぇ、どうしたらまた遊べる?
ねぇ、どうしたらまた声を聞かせてくれる?
ねぇ……また会いたいよ
大好きだよ
もっと早く、伝えるべきだったなぁ……