多田野一人

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12/2/2025, 3:21:14 PM

贈り物の中身
きみの誕生日、何を贈ろう…わたしは、センスもないし、きみの好みも分からない…
1年で最後の月に生まれたきみは、寒いのが好きなのかな…手袋とか、マフラーとか似合いそうだし、赤いセーターも良さそうだし…
でも、最近知り合ったばかりのきみに、贈り物なんて、迷惑かも知れないって思ったりもする…と言うか、本当は、渡す勇気がない…
段々と近づくきみの誕生日、何を贈ろうか、準備しても渡す勇気が出るのか…なかなか何一つ決められないわたし…

12/1/2025, 2:56:16 PM

凍てつく星空
見上げると、冷ややかな光を放つ星空が広がる…吐く息も、白く漂ってやがて冷たい闇に消えてしまう…
夏の星空は、綺羅びやかで、甘く星座の物語に誘うのに…
冬の星空は、何処かよそよそしくて、冷たい光が心を突き刺してくる…
張り詰めた空気の中で、白く冴え渡る星の光は、私の心を冷たく拒絶している…

11/30/2025, 2:19:07 PM

君と紡ぐ物語
もしも夢が叶うなら…君の隣で、同じ景色を見ながら、同じ時間を過ごしたい…
君と、この道で肩を並べて、指を絡め乍ら、他愛ない会話を交わして…
…そんな夢物語を心の中でイメージしながら、夕暮れの道を、一人背中を丸めて歩く…
スマホには、君と交わした連絡先が入っている…何時も、私のから、この2人の物語を初めて、世界中で唯一の2人の物語を一緒に紡いでいきたい…
そう、思い乍ら、今日も、独りの帰り道…

11/29/2025, 3:06:43 PM

失われた響き
父ちゃん、母ちゃん…子供の頃、そう両親を呼んでいた…
周りの友達も、自分の親の話をする時には、そう言っていた…
だけど、いつ頃からか、あの…とか、ねぇ…とかで、話をするようになっていた…思春期って言う頃だったかも知れない…
それから、幾年も過ぎて、ふっと思い出して、一人の時に、父ちゃん、母ちゃんと、口にしていたら、ふっと、幼い頃の家族の思い出が溢れてきた…
切なくて、擽ったい、何とも言えない感覚が、心の中を駆け巡る…

11/28/2025, 2:59:18 PM

霜降る朝
子供の頃は、10月の末頃には、霜柱を踏みながら登校した記憶がある…
それが、今年は、11月になり、漸く霜を見かけるようになった…気候変動というものだろうか…
霜柱を踏むと、バリッと言う音と、足の裏に伝わる感覚が面白くて、飽きずにやっていた…
そして、真っ白な靴を、泥だらけにして、母に何度も叱られて…
今朝、久しぶりに車の硝子に張り付いた霜を溶かし乍ら、遠い昔の母の顔を思い出した…

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