多田野一人

Open App
10/10/2025, 2:34:51 PM

一輪のコスモス
道沿いの片側だけに続く秋桜の植込み…秋の風に揺れる姿は、可憐で何処か淋しげな気がする…
夕陽が伸びて、花を包み込み、夜の帳が近い事を知らせている…
その向かいは、薄が茂り、白い穂がさわさわと揺れている…色とりどりの秋桜と薄の白い穂の波が秋の夕暮れを一層儚くて、綺麗にしてくれる…
白い薄の穂に交じり、一株だけ、秋桜が控え目に、けれど、可憐に花を揺らしている…まるで、あの頃の、あの娘のように…

10/9/2025, 4:05:06 PM

秋恋
春には、新しい出逢いをきっかけに、恋する事がある…
夏には、海や山々などの自然の中で、刹那的な恋が生まれることがある…
秋は、翳り出す夕陽や夕風に、人肌恋しくなることがある…
冬は、雪景色やイルミネーションなんかで、そういう雰囲気になって生まれる恋もある…
的外れかもしれないけれど、恋の始まりは、何処で何に感情を動かされるのかだと思う…

10/8/2025, 2:38:05 PM

愛する、それ故に
出来る事なら、あなたと愛し合いたい…永遠の愛を…
そう希い、あなたを想っている日々を重ねている…
だから、そんなあなたにわたしは、釣り合うのだろうか…そんな事で、あと一歩が踏み出せなく…
誰にも負けないあなたへの想い…あなたとしか思い描けない、わたしの未来…
だからこそ、早くあなたに追いついて、あなたの隣に相応しくなりたい…

10/7/2025, 3:24:31 PM

静寂の中心で
青白い光の中で、独り自分の影を見つめて…
くっきりと地面に貼り付く影は、昼間の影より、何処か淋しげな…少し脇道を入った公園は、静かで、虫の声もあまり聞こえない…
自分の影なのに、表情一つ掴めない…どんなに話し掛けても、押し黙ったまま…
満月の夜、独り佇む明るくて、静かで、空虚な時間…何時までも、独りぼっちの乾いた砂漠から抜け出せない…

10/6/2025, 3:37:57 PM

燃える葉
春先には、萌黄色だった山々が、初夏には、万緑となって、真夏は、青葉で、青空と張り合っていた…
それが秋になり、黄色や紅に変わってきた…山の木々も、ぽつりぽつりと、赤色が目立つようになってきた…
もう少しすれば、鮮やかな赤色に染まるだろう…そしてそれは、冷たい北風に吹かれ乍ら、また大地に戻ってゆくのだろう…

Next