心の中の風景は
小川に架かる木製の橋、欝蒼とした木々の隙間から溢れる木漏れ陽、小川の中には、大きな魚が群れをなしている…
子供の頃から、時折見る夢の中の風景…でも、そんな場所の記憶なんて何処にもない…その景色は、幼い頃から、ほぼ変わらないし、凄く懐かしくて、帰って来たようなそんなホッとして、温かい気持ちになれる場所…
その前後は何もなく、突然其処にいるだけで、特に何するわけじゃないけど、夢から覚めても、何故だか幸せな気持ちでいられる…
不思議な風景だけど、いつか行ってみたい…
夏草
夏の熱風に揺れる空き地の叢…緑の波は、少し枯れ掛けているが、まだまだしっかりと根を張っている…
連日の猛暑でも、まだまだ青く、夏の名残を謳歌している…その雑草の強さが羨ましい…僕にも、そんな逞しさが欲しい。何度も痛みを受け入れ、時には、絶望的な痛みや壊滅的なダメージを受けても、また静かに再生している…
夏草のさり気ない強さが、僕の心にもあったなら…
ここにある
あなたには、秘密にしている事が、あるんだよ…多分、あなたは忘れているだろうけど…
ここの鍵付きの箱の中には、あなたから貰ったぜんぶの手紙がしまってあるんだからね…
たまたま文通で知り合った私たち…あなたのペンパル募集がたまたま目に着いて、面白半分で出した手紙に返事が来て…
週に2回位のペースでやり取りしていたね…まだ携帯電話なんて、出回る前の頃で、回を重ねる毎に、何となく愉しみにしていた…今じゃ、あんなに言葉のキャッチボールなんてないけれど…
たまに取り出して、こっそり見てるんだよ…でも、まだ暫くは、内緒だよ…
素足のままで
もう、ガラスの靴なんていらない…綺羅びやかなドレスも、素敵な首飾りも、煌めくイヤリングも、何もいらない…
飾り気のない、素の私を見て欲しいだけ…そして、そのままの私を愛して欲しいから…
この大地を、素足で駆け抜けて、あなたの胸に飛び込みたい…あなたの愛を独り占めしたい…
もう一歩だけ
あなたのもとに、直ぐにでも行きたい…あなたに早く逢いたい…
でも、その一歩が踏み出せなくて、脚が竦んで動かない…
あなたへの想いを伝えたい気持ちと、もしも受け入れて貰えなかったら…その葛藤で、一歩が踏み出せなくて…
ズルいかもしれないけど、苦しい時の神頼みで一歩踏み出す勇気をください…