あの夢のづつきを
まるで、夢の様な一時…ずっと片想いしていたあなたと、並んで歩いた帰り道…ただ並んで歩くだけで、お喋りが無くても、歩道に伸びる並んだ影が視界に入るだけで、口元が緩んでしまう…
そんな、夢の時間も、何時までもは続かない…あの、交差点で、終わってしまう…その先にも、この夢の続きがあればいいのに…
あたたかいね
周りには、所々に残る雪と、茶色の景色と、肌を刺す北風…
そんな真冬の青空の下、2人並んだ公園のベンチ…頬を過ぎる風は冷たいけれどあなたの隣は、こんなにも、暖かくて…初めて迎える、あなたと過ごす冬…寒がりな私は、冬が苦手で、厭う季節だったけれど、あなたと迎えたこの寒い空間が、こんなに温かく、幸せだなんて…
未来への鍵
未来…子供の頃、早く大人になって、カッコよくなって、結婚して、家族で仲良く楽しく、暮らしたい…そんな未来を、何となく想い描いていた…
テレビや本で垣間見る未来は、ずっと豊かで、快適な世界に思えた…
そんな素敵な未来が、成長するにつれ、少しづつ色褪せてきた…どうにもならない見えない壁や、自分自身への諦めや、ぶつけどころのない、怒りや哀しみ…
言い訳だけが膨らんで、同時に、萎む未来や夢…
そして、人生の折り返しを過ぎて、益々見えない自分の未来…
そして、学んだのは、与えられるのではなく、強い信念で拓いてゆくのが未来…残された時間、どんな未来を迎えるのだろう…
星のかけら
南の島には、星の形の砂があるらしい…私の手には、届かないあの星の欠片が、足元にあるなんて…
もしも…その星の欠片に出逢えたら、私の願いが希うのだろうか…あの人の隣で、肩寄せ合い乍ら、満天の星空を見つめたり…同じベッドで、同じ時を過ごせるのだろうか…
Ring Ring…
ベッドに寝転んで、スマートフォンをいじっている…メールや通知をチェックしたり、動画を見たり…
でも、本当は、あの人の声を聴きたい…何度も、通話しようと、番号を表示してみるけど、そこから、勇気が出ない…普段は、気兼ねなく話せるのに、ちょっと声を聞く事が出来ない…もう、かれこれ小一時間、何度も繰り返している…
何度目かの溜息を漏らした時、突然手元のスマートフォンから、呼び出し音が…