多田野一人

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11/29/2024, 2:56:09 PM

冬の始まり
何時もなら、紅葉も終わり枯葉が降り積もる季節なのに…今年は、未だ紅葉が続いている…長くこの景色が続くのは、嬉しいけれど…でも、この艶やかで何処か寂しい景色の先には…
冬の始まりとともに、さよなら、だけ残して、何処かに、消えた、あなたの俤…2人並んで見つめた、秋の移ろいと、木枯らしにさらわれたあなたが、私の胸にずっと、残像だけが鮮やかにある…

11/28/2024, 3:09:26 PM

終わらせないで
ねぇ、嘘だよね…此処でさよなら、なんて…ずっと待ち続けて、やっとこのチャンスが巡って来たのに…
夕方の帰り道、不図視線を上げると、あの人の後ろ姿が…隣には、誰かが寄り添っていて、親しげに並ぶ影法師が伸びている…
未だ、漸く私の存在を知って貰ったばかりなのに…始まった物語は、これから、紡がれる筈なのに…
神様、お願い…この恋を終わりになんて…

11/27/2024, 3:04:15 PM

愛情
愛…よく、見聞きする言葉だけれど…幾ら考えても、判らない…不定形で、重さも、匂いも、摑みどころも無いから…
あなたを、好き、って云う気持は、自覚しているけれど、それが、愛なのか、自分でも、判らない…言葉では、何度か、伝えたけれど、でも、それが何なのか…
愛は、迚もいいものだと云うのは、何となく理解している、のに、其れがどんな感情なのか…

11/26/2024, 2:16:05 PM

微熱
何時もの様に、登校していたら、見慣れた背中が見えた…猫背で、少し寝癖が残っていて、ひょろ長い姿…その後ろ姿に、急に顔が火照ってしまう…
本当は、直ぐにでも、声を掛けたいのに、一度深呼吸をして、背中を軽く叩く…
少し眠そうな顔を向けて、寝惚けた声で、おはよう、って云ってくれる…
何時もの事なのに、毎朝、ドキドキしてしまう…
そして、あのひとは、私の顔が赤いのを見て、無造作に、手を伸ばして、額に当てる…口では、勝手に触らないで、なんて答えてみるけれど、本当は、すごく嬉しい…
こんな何気ない、朝の一コマに、身体が熱くなる…

11/25/2024, 3:01:53 PM

太陽の下で
秋の終わりの陽射しは、夏のそれに比べて、何処か、弱々しい…あのギラギラ感や、力強さも無い…明るさも、何となく透明で、頼り無い…
そんな、透明な光を浴びながら、深呼吸をすると、鼻の奥がひんやり冷たい…微かに感じる陽の温もりと、この冷たさに、冬の知らせを感じる…

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