脳裏
不図浮かんでくるのは、あなたの面影…寂しい時、辛い時、真夜中に目が覚めた時…何時でも、一番に浮ぶのは、あなたで…
気付いたら、あなたのいない世界なんて、想像も出来なくて…あなたの存在を知らずにいた、過去を、どうして過ごしていたのか、今の私には、もう思い出せない…
本当は、ずっと一緒に過ごしたい…時間なんて、気にしたくない…私だけの、あなたに、なって欲しい…
意味がないこと
本当に、生きていていいのかな…そう思い乍ら、ずっと生きてきた…特に、成績がいいわけでも、スポーツだって駄目だし、不器用なのも、誰にも負けない…
卑屈で、偏屈な私は、毎日が劣等感の中で、過ごしていた…
でも、あなたと出逢えて、少しだけ、変われた気がする…あなたの優しさに触れる度に、閉された心が、和らいでいるのが判る…
私が、今、此処にいる意味は…
あなたとわたし
よく、聞かれるけれど…
あなたとわたし、どんな関係なんだろう…幼馴染み、友達、恋人…どれも、間違いでは無いけれど、どれも、違う様な…
もう、ずっと前から、一緒に過ごしてきて、相手の気持ちが、何となく判る位の立ち位置で…空気の様に、でも、離れていると、何となく落ち着かない…
そんな、あやふやな、二人だけれど…
ただ、多分、あなたは気付いていないだろうけれど…何時からか、わたしの心に生まれた、この感情…
この、微妙な関係から、少しでも、前に進みたい…
柔らかい雨
秋の夕暮れに降る霧雨…柔らかく、身体に纏わりつく細かい雫…
柔らかくて、すっと、服の中に溶け込んで行く…其れなのに…
段々と身体が、寒気に包まれてゆく…見た目の柔らかさの中に、まるで、花の陰にある、薔薇の棘の様に…秋の夕暮れは、美しいけれど、忍び寄る、冷たい空気が、潜んでいる…
一筋の光り
空いっぱいに拡がる、雨雲の海…今にも、溢れそうな雨の雫を溜めている…
まるで、私の心を、見透かしているみたい…
さっき見かけた、あの人の横には、私の知らない誰かが居て、あの人が、私の知らない表情をしていた…
あの人にとって、私は、ただの知り合いなだけで、私には、何も言えない…けれど…
色々な不安で、押し潰ぶされそうで、せめて、一筋の光りでも、見えたなら…