哀愁を誘う
日毎に早くなる秋の夕暮れ…陽射しが翳ると共に、寒さが追い掛けて来る…
夕風に、背中を丸め乍ら、1人歩く帰り道…何時ものことなのに、何かが、欠けている様な、寂しいとか、人恋しいとか、そんな言葉では、いい表せない、心のすきま風…
そんな時に、そっと浮かんでくる、あの人の面影…
鏡の中の自分
洗面台で、歯磨きし乍ら、鏡に写る自分の顔を見る…ぐちゃぐちゃな髪の毛、皺だらけで目立つ豊齢線、だらしないお腹…
歳と共に、変わっていく自分の姿…鏡でしか見られない、自分の姿に、現実を突き付けられる…自分の中では、もう少し引き締まって、クールにきめている心算なのに…
鏡に写る自分…でも、本当の姿なのか…
眠りにつく前に
何時ものことだけれど、病院から処方された、睡眠剤を飲む…ここ数年、続く寝る前の習慣…
数年前の、勤務先でのストレスチェック、病院への受診を勧められて、翌年も同じ結果で、近くの病院を探して、受診した…抑鬱症と云う名をつけられて、漢方薬と就寝前の薬を出された…
それ以来、寝る時には、その薬無しには、寝られ無くて…薬を飲んで、眠くなるまでの時間、堪らなくなる位、孤独な気持ちで満ちてしまう…この、一日の終わりの儀式が、憂鬱で、避けて通れないなんて…
永遠に
今はまだ、出逢わない、何処かに、居るかもしれないあなたに…
未来の何処かで、あなたに出逢えたなら、絶対に、迷わない…
今の私は、まだまだ、あなたに、そぐわないから、逢えないだけ…
未来のあなたに、辿り着けたら、もう逸れたりしないから…
永遠に、あなたとの道程をあなたと同じ歩幅で、乗越えて行くから…
理想郷
もしも、願いが叶うなら…あの人の傍らで、指を絡めていたい…
あの人の隣で、夕陽を眺めていたい…
あの人の側で、同じベッドで同じ夢を見たい…
あの人と過ごす、二人だけの世界…そんな、あの人と私の二人だけの、郷があればいいのに…